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2019年 新春特別編 1/4

資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、各界のプロフェッショナルをお招きして、資産運用にまつわる旬のトピックを取り上げる、本連載。今回は、「2019年新春特別編」として、国内外の経済・投資環境を振り返り、今年の動向を探ってみる。ーーー

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米国の株価は後半に入って失速
他国との間で摩擦も起き始めた

新年あけましておめでとうございます、内藤忍です。昨年は、Q&A形式の「マネーカフェプラス」を通じて資産運用に関する疑問に答え、私なりの考えやポイントをお伝えしました。今年も引き続き有益な情報を取り上げていきますので、どうぞよろしくお願いします。

新春の特別編をお送りするということで、昨年の国内外における景気や経済、投資環境から振り返ります。

まずはアメリカの株式市場です。2018年1月は2万4000ドル台から始まるや否や、下旬には2万6000ドル台を突破しました。ところが、その後は下落に見舞われて3月後半に2万3000ドル台をつけることに。以降は上下を繰り返しながら、10月頭には最高値の2万6823.49ドルに達しました。ところがその後に相場は急落しています。

背景にあったのは、Google(Alphabet)、Apple、 Facebook、Amazon(GAFA)といった、いまや世界を席巻するテクノロジー企業の株価下落です。なんと、2018年の上昇分をほとんど帳消しにしてしまいました。過剰な期待から買われすぎていたのが、調整されたようです。上場から10年以上が経っていて、以前のような株価の急上昇は期待できないという見方もあったのかもしれません。

GAFAについては、以下のような報道もありました。欧州では彼らに対する規制が強まりつつあり、独占禁止法/競争法、税制、データ・プライバシーといった点で、対立が起き始めています。Googleであれば2017年と18年にEU委員会から競争法に抵触するということで計8700億円もの制裁金を課せられていて、英政府はGAFAをターゲットに売り上げの2%に税を課す「デジタル課税」を2020年に導入する方針と打ち出しました。さらにEUは2018年5月に一般データ保護法(GDPR)を導入し、消費者のプライバシー保護などを強化しています。いずれもGAFAとって逆風であることは言うまでもありません。

内藤忍

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