資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、各界のプロフェッショナルを招いて、投資談議に花を咲かせる、この企画。第4弾では、フォーランド リアルティネットワーク ジャパンの中尾孝久社長とフィリピン不動産投資について対談。締めくくりとなる今回は、これまでの話を総括するとともに、フィリピン不動産投資の注意点を尋ねてみた。
デベロッパーは厳選
内藤 フィリピンで不動産投資を行う際の注意点はありますか?
中尾 そうですね。気をつけたいのは、デベロッパーの信用力です。ピンからキリまでありますから。もちろん当社では、開発実績が豊富で、経営状態も安定している優良デベロッパー(開発会社)が手掛ける物件の中から厳選してご紹介しています。
内藤 フォーランド リアルティネットワーク ジャパンならではの強みといえば、どうでしょう?
また、現地にも行っていただき、ご自身の目で確かめていただくようにもしています。これは、日本とフィリピンの両方にオフィスを構える、当社独自の強みです。物件の視察ツアーも行っていて、現地法人の日本人、または日本語が話せる現地スタッフが対応します。
内藤 どちらか一方にオフィスがあるという会社は多いようですが、日本と現地の両方からのサポートが得られるというわけですね。いずれにしろ、その国に行かないとわからないリスクや街の雰囲気というのがあるはず。プレビルドとはいえ、周辺の環境は確かめられますし、同じデベロッパーの物件を目にすることで、クオリティの確認もできます。
例えば、日本だと南向きの物件に人気が集まりますが、フォリピンだと日差しがきついので必ずしも人気とは限りません。また、価格が安い低層階から売れていくようですね。こういったことは、現地に行かないと手に入らないリアルな情報です。
中尾 プレビルドの場合、契約から引渡しまで2~3年かかるということもあります。その間の状況やスケジュールについても随時お知らせしますから、安心して竣工をお待ちいただけます。
内藤 東京23区とほぼ同じ面積に、東京23区の人口を上回る約1200万人が生活しているという、マニラ首都圏。近郊を含む都市圏人口は2000万人を超え、世界第5位の大都市圏を形成しています。マニラ経済の中心地となるマカティは、国内1位のデベロッパー「アヤラランド(Ayala Land)」が中心に開発を進め、2019年頃までにマカティに1250億ペソに及ぶ投資を行うと発表。これに次ぐビジネス・金融の中心地がオルティガスで、コールセンターなどBPO産業の拡大により、オフィス需要だけではなく、労働人口の増加とともに住宅需要も増加するといわれています。
さらには、マニラ首都圏でもっとも成長・発展が期待されるグローバルシティと、フィリピンの不動産市場はこれからの発展が楽しみ。投資対象としても魅力的。今後も定期的にスタディ・ツアーを開催する予定なので、ぜひ参加してほしいです。
今日の対談で、フィリピン不動産投資のリスクとその魅力が読者の皆さまに伝わると幸いです。中尾社長、本日はありがとうございました。
中尾 こちらこそ、どうもありがとうございました。
ーーー活気が溢れ、今後の経済成長が期待できるフィリピン。アジアのラスベガスを目指した世界最大級のカジノ複合リゾート施設「エンターテインメント・シティ・マニラ」の開発もマニラ(ニノイ・アキノ)国際空港からも近いマニラ湾沿岸にて進められている。国営のカジノ運営公社は、2016年までに世界のカジノ市場の約1割に相当する、年間100億ドルのカジノ収入達成を目標に掲げるなど、カジノ産業は新たな成長の柱として、フィリピン経済に大きな経済効果をもたらすことを期待。開発の進展と共に、周辺エリアの不動産市場活性化も見込まれている。そんな国の不動産を対象に、資産形成を考えてみるのも面白い。
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内藤 忍(ないとう しのぶ)
株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長
一般社団法人海外資産運用教育協会代表理事
東京大学経済学部、MITスローン・スクール・オブ・マネジメント卒業(MBA)。
大学卒業後、住友信託銀行に入社。
1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。
その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。
2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。
毎週発行する資産デザイン研究所メールは、購読者約12,000名と個人投資家の強い支持を受けている
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早稲田大学オープンカレッジ、丸の内朝大学などで講師を務め、雑誌、ネットでの連載コラムを担当。主な著書にシリーズ10万部を超えるベストセラーとなった「内藤忍の資産設計塾」シリーズ。「60歳までに1億円つくる術」「「好き」を極める仕事術」「丸の内朝大学マネーの教科書」など多数。最新刊は「究極の海外不動産投資」(幻冬舎)
中尾孝久(なかお・ たかひさ)
フォーランドリアルティネットワークジャパン株式会社 代表取締役
1975年和歌山県生まれ。
大手投資会社を始め10年以上金融業界で為替、株式のリテール部門で活躍。その後、外資系証券会社のセールスヘッドを経て、2012年フォーランドリアルティネットワークジャパン株式会社取締役に就任。2014年同社代表取締役就任。
累計100本以上のマレーシア、フィリピン不動産セミナーの講師を担当。現地の最新情報を織り交ぜつつ、金融業界出身らしい独特の観点から海外不動産の魅力を分かりやすく解説するセミナー内容は、毎回好評を博している。