ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

タイの不動産投資 vol.4

資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、各界のプロフェッショナルと投資談議に花を咲かせる、この企画。

第5弾は、ステイジアキャピタルの吉岡憲史マーケティング&コンサルティング部部長をお招きして、タイ不動産投資について対談。シラチャが狙い目だというが、なぜなのか? その真相に迫る。

エンリッチ マネーカフェ タイの不動産

バンコクに比べると圧倒的なコストパフォーマンス!

内藤 これまでの話をまとめると、シラチャで不動産投資をする場合は、購入した物件をローカルではなく日本人に貸すというビジネススタイルになるわけですね。日本人は増え続けているから、強い位需要が続く可能性が高い。また、同じ国民だと安心感があり、駐在員だと家賃の滞納もない、満足度の高い物件なら同じ企業の駐在員に引き続き住んでもらえる可能性も高いでしょう。法人契約も見込めるかもしれません。そうなれば、長期的に安定的な家賃収入が期待できるということですね。

吉岡 そうです。駐在員向けの物件はセキュリティが完備しているなど、安心して住めるところに限定され、おのずと高級マンションになります。そうすると、ローカルの方には手が届かないのが現状です。日本人投資家向けに紹介するのも、そういった物件がほとんどです。ところが現時点で、該当する物件は非常に少なく、竣工済みなのはLadda Conbo Viewというマンションくらい。ここは住民の9割が日本人で、シングルユースの32.5㎡の部屋で家賃が月3万THB(約10万2000円)、ファミリータイプの50㎡で4万5000THB(約15万3000円)。11月に現地に赴いたときは、空室はわずか3部屋でした。他にも、週に1~2回清掃のサービスがあるサービスアパートメントもありますが、40㎡クラスで家賃は月4万THB(約13万6000円)~、60㎡を超えると月4万8000THB(約16万3000円)、なかには30万円を超える物件もありました。とはいえ、これらも人気で、20人待ちというところも。それほど賃貸需要が高いのです。

内藤 確かに、家賃は物件価格に対してかなり高い印象です。賃料水準はバンコクはもちろん、東京ともそんなに変わらない水準ですね。

内藤氏がシラチャを訪れた際におさめた入居者募集の写真。
内藤氏がシラチャを訪れた際におさめた入居者募集の写真。

 
吉岡 これくらいだと、大手企業なら負担できる賃料コストです。じつは、シラチャには古くから日本人向けの高級住宅が点在していて、それらは300㎡以上でプールもつくという大豪邸。家賃も20万~50万円しますから、いくら大手企業でも若手駐在員や単身者にこれほどのコストはかけられません。それに比べると、先に挙げたLadda Condo Viewは常識の範囲内といえるでしょう。だからこそ、日本人に人気があるということです。

内藤 物件価格はどのようになっていますか?

吉岡 ここがシラチャ最大のメリットで、いまだと30㎡前後だと1000万円、ファミリー向けの50㎡前後で1500万~2000万円。これはバンコクのおよそ半額です。ところが、日本人の駐在員向けということで家賃相場はバンコクと変わらず、投資的にどちらがお得なのか一目瞭然。バンコクだと利回りが10%以下~5%台ということもありますが、シラチャだと倍近い利回りが見込めます。

内藤 この水準が維持されれば、投資対象としては魅力的ですね。実際にそんな物件に、まだ投資できるチャンスはあるのですか?

吉岡 はい、例えば2016年竣工予定で全733ユニットのLadda plus Srirachaは32㎡の部屋で販売価格が約1000万円からということもあり、爆発的に売れています。同じく2016年に竣工予定、町の中心部に位置し、海沿い・オーシャンビューの物件であるMarina Bayfront Srirachaも全278戸という大規模プロジェクトにも関わらず、ほぼ完売という状態です。不動産価格はバンコク中心部の約半分なのに、賃料単価は同水準を期待できるのですから、利回りも10%超。人気が出ないはずがありません。こういった現状を目の当たりにしてか、いままではローカルデベロッパーのプロジェクトが目立ちましたが、東急電鉄は日本の大手企業としては初めてシラチャに進出すると表明。タイの財閥サハグループと合弁会社を設立して、サービスアパートメントの建設に着手します。他にも、一部上場企業がシラチャでサービスアパートメントの建設用地を取得したと聞きました。

内藤 いずれは需要と供給の関係が変化するかもしれませんが、いまは日本人が増えていますから、なかなか供給過剰になりにくい。日本人が好むような物件を選んで投資すれば、よりチャンスは広がるでしょうね。

吉岡 そういった物件も少しずつ出始めています。すぐに売れてしまうのですが、もし買うなら、タイミングを狙って欲しいところ。なかでも、ファミリータイプは1フロアに1~2戸と数が少なく、希少価値が高いのでお勧めです。デベロッパーは物件価格を安く設定できるシングルタイプを多く作り売り出すのですが、賃貸需要はシングルよりファミリーのほうが高く、客づけに困りません。長い目で見ると利益が取りやすいので、資金力があるなら、こちらを購入したほうがいいでしょう。

内藤 もちろん、高い利回りだけではなく、地価上昇に伴うキャピタルゲインも期待できます。そういった、定期的な家賃収入と資産価値の向上という、不動産投資における2大メリット最大限に享受できるのが、シラチャだということですね。

吉岡 気になる方は、気軽に弊社にアクセスいただければ、予算やニーズに応じて物件は紹介します。

内藤 バンコクで2000万円の物件とシラチャの1000万円の物件で、家賃が一緒ならシラチャを選びたくなる気持ちは理解できます。もし、空室になってしまい家賃を半分にしたとしても、バンコクと同じ利回りは確保できます。多くの企業が進出していますから、どこかが撤退しても他の企業の駐在員があるということで、空室リスクは抑えられます。

吉岡 そういった独特の事情があり、面白いのがシラチャというエリア。このように、海外不動産投資でも首都を外すという選択肢もあるのです。首都エリアはプロジェクトが始まった時は供給過剰でなくても、完成する頃にはそうでないケースもあります。すると、客づけや売却時に困難を極めることも。海外で日本人に貸すという特殊なマーケットですが、それを理解して投資を行えば、成功する可能性は高いといえます。

内藤 タイの不動産投資のネックはローン付け。日本人はタイ国内でローンを組むことができず、シンガポールの銀行から融資を受けて買う、あるいは日本の金融機関のフリーローンを使うことになります。どちらも、為替リスクがありますから、できればキャッシュで購入することをお勧めします。

吉岡 購入に際しても、最初に物件価格の20%を払い、残り80%を竣工時に払うというパターンがありますが、もし残金を決済したくないなら途中転売も可能です。固定資産税がかからないという現地なりのメリットもあります。

内藤 詳しく話を聞けば聞くほど、興味がわいてくるエリアです。吉岡さん、本日はありがとうございました。

吉岡 こちらこそ、ありがとうございました。これにより、少しでも多くの方にシラチャの魅力を知っていただけると幸いです。

ーーー都心ではなく、あえて郊外を狙うという、タイ・シラチャの不動産投資。世界に目を向けると、こういったユニークな不動産投資の世界があるとおわかりいただけたのでは。これから大きく発展が期待できるエリアで資産形成というのも、面白いのではないだろうか。


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内藤 忍(ないとう しのぶ)

株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長
一般社団法人海外資産運用教育協会代表理事
東京大学経済学部、MITスローン・スクール・オブ・マネジメント卒業(MBA)。

大学卒業後、住友信託銀行に入社。
1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。
その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。
2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。

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早稲田大学オープンカレッジ、丸の内朝大学などで講師を務め、雑誌、ネットでの連載コラムを担当。主な著書にシリーズ10万部を超えるベストセラーとなった「内藤忍の資産設計塾」シリーズ。「60歳までに1億円つくる術」「「好き」を極める仕事術」「丸の内朝大学マネーの教科書」など多数。最新刊は「究極の海外不動産投資」(幻冬舎)


吉岡憲史(よしおか・けんじ)

ステイジアキャピタルジャパン株式会社 ジェネラル・マネジャー
青山学院大学卒業、英国ラフバラ大学大学院修了。
株式会社新潟総合テレビ、株式会社クリード、クリード不動産投資顧問株式会社(出向)、APN株式会社取締役、APH株式会社代表取締役などを経て、2013年より現職。賃貸情報サイト「家賃5万以下ドットコム」の発案者。
ステイジアキャピタルホールディングリミテッド

内藤忍

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