資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、各界のプロフェッショナルと投資談議に花を咲かせる、この企画。今回は、株式会社お金のデザインの廣瀬朋由社長をお招きして、「ETFラップ®」をテーマに対談。日本初の運用商品に、内藤氏の関心は尽きないようだ。
運用商品には透明性が求められる
内藤 ちなみに顧客は、リアルタイムの運用状況を知ることはできるのでしょうか。
廣瀬 もちろんです。資産運用の概要、ポートフォリオ別の資産運用内訳、売買履歴もオンラインで確認できます。我々は、運用状況の報告、昨日ポートフォリオ内容のモニタリング、ETFの組み換え、運用ポートフォリオ方針の推奨、ETFの一部売却、市場環境の分析、アルゴリズムや機能ポートフォリオのアップグレード・更新を行い、お客様には運用状況のご確認、新たな運用ポートフォリオ方針のご検討、必要に応じて入金・払出のご指示いただくことによりお客様の追加の運用や・現金化したいニーズなど容易にご対応させて頂けます。
なお、出金に関しては「1年間は引き出せない」といった制限はなく、通貨も円だけではなくドルやユーロ、フランなど25通貨に対応しています。海外赴任があったりお子さんが留学しているなど、必要に応じて必要な通貨を引き出せますから、サイフ代わりにも使えるわけです。いまや主要な外国の銀行預金も低金利ですので、「ETFラップ®」を使いお金を遊ばせず、必要なら現金化すればいいのです。さらに、銀行円預金だと円安になると資産は目減りしますが、そこでアジアやアメリカの不動産にチャンスがあっても円安になってしまうと、結局高くて手が出ないなんてことも。ところが多通貨が利用できれば良い待機資金になり、円安時に投資機会を失わずにすみます。
内藤 金融資産はこういった運用商品に任せて、不動産など実物資産は自分で勉強して取り組めばいいでしょうね。低コストのグローバル投資は、資産をたくさん持っている人にこそ効果的なスタイル。運用は任せられるので、ビジネスに多忙であっても手間はかかりません。
廣瀬 具体的は、お客様はプロファイリングを行い、ポートフォリオのご提示、弊社と投資一任契約を締結します。同時に、弊社が現在利用している証券会社の口座を開設、資金を入金のうえ、我々がポートフォリオに従い運用を始めるといった流れ。最低資金は500万円ですが、機関投資家と同じレベルでの効果的な分散投資が行えます。
内藤 口座開設時や各種資料を取り寄せるのに、多少は英語力が求められるのですね。外国に資産を預けるが不安という人もいるでしょう。
廣瀬 弊社が現在利用させていただいているインタラクティブ・ブローカーズ証券は外資系証券会社ですが、日本でも第一種金融商品取引業者として登録があり、日本証券業協会にも加入しています。実績は申し分なく、電子取引に特化した独立系米国最大手の証券会社で、S&P社のレーティングでは、A‐/A‐2(Outlook:Stable)の高格付けも獲得しているのでご安心ください。口座開設はウェブ上で行いますが、日本語訳もあるので、それほど難しくありません。
内藤 廣瀬さんとのお話を通じて、ETFやインデックス運用の優位性、さらには「ETFラップ®」の特徴も理解できました。最後に、今後の方針についてお聞かせください。
廣瀬 最低投資金額500万円は、いずれは引き下げたく、現在調整を行っています。若い世代の方にも、どんどん活用していただきたいです。また、こういった運用商品は、地政学的リスクが懸念される、また年金制度が十分でないアジア諸国でも高いニーズが伺えます。今後は、アジアへの展開も視野に入っています。
日本における当面のターゲットは、預かり資産100億円、5年後には4000億~5000億円を狙いたいところ。ゆくゆくは、日本の銀行預金の800兆円のうち半分は、我々のようなグローバル分散投資で運用するような状況に変革していきたいと思います。
内藤 こういった、コストがかからずフレキシブルにグローバル投資ができる、かつ手間がかからない運用商品への注目度は高まるでしょうね。廣瀬さん、今日はありがとうございました。
廣瀬 こちらこそ、ありがとうございました。
―――アッパー層にとって効率的、安定的な資産運用は課題だが、投資一任会社に運用を任せるという新たなスタイルは、これから広まっていくのではないだろうか。株式会社お金のデザインのビジネスは、そんな予感を覚えさせる。
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内藤 忍(ないとう しのぶ)
株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長
一般社団法人海外資産運用教育協会代表理事
東京大学経済学部、MITスローン・スクール・オブ・マネジメント卒業(MBA)。
大学卒業後、住友信託銀行に入社。
1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。
その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。
2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。
毎週発行する資産デザイン研究所メールは、購読者約12,000名。個人投資家の強い支持を受けている
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早稲田大学オープンカレッジ、丸の内朝大学などで講師を務め、雑誌、ネットでの連載コラムを担当。主な著書にシリーズ10万部を超えるベストセラーとなった「内藤忍の資産設計塾」シリーズ。「60歳までに1億円つくる術」「「好き」を極める仕事術」「丸の内朝大学マネーの教科書」「究極の海外不動産投資」など多数。最新刊は1月末に出版した「飲めて殖やせる 究極のワイン投資」。
廣瀬 朋由(ひろせ・ともよし)
株式会社お金のデザイン代表取締役社長
横浜国立大学経済学部経済法学科卒業
1982年に三井信託銀行(現三井住友信託銀行)株式会社に入社し、投資顧問部、受託資産運用部(年金運用部)にて内外株式/債券の運用の統括責任者になる。
1989年に和光証券経済研究所出向。1999年に世界最大の資産運用会社バークレイズ・グローバル・インベスターズ株式会社に入社、営業統括本部営業企画部長として、営業企画、商品戦略、マーケティング、コンサルタント・リレーションズ全般を担当。
2009年ブラックロック・ジャパン㈱との合併後、Global Client Group(営業部門)COOに就任。外部委員として、厚生年金基金連合会基本方針細則検討会外部委員、東京証券取引所デリバティブ懇談会委員、大和総研リスク管理委員会委員(オルタナティブ伝統的資産運用)、大和総研リスク管理委員会委員(伝統的資産運用)を歴任。日本証券アナリスト協会検定会員。
著書に、『カレンシー・オーバーレイ入門』(年金情報)、『カレンシー・オーバーレイの諸問題』(日経金融新聞)、『計量アクティブ運用のすべて~その理論と実際』第9章「キャパシティ」(きんざい)
インフォメーション:3月18日(水)、お金のデザイン社主催、第3回目資産運用セミナー「米国に学ぶ投資一任運用の最前線」が開催予定。内藤氏も講師として出席する。
詳しくは、http://eventregist.com/e/5kJnPIOMDhfc