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【10】分散投資:理想的な配分とは?

資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、資産形成にまつわる悩みや質問に答える、本シリーズ。今回は取り上げるのは、「分散投資」の基本的な考え方について。具体的には、どのように進めればいいのでしょうか?ーーー

分散投資:理想的な配分とは?

Q(質問者):内藤さんは、資産を円と外貨、金融資産と実物資産に分散することを提唱しています。具体的には、どういった配分がお勧めなのでしょうか?

エンリッチ naitoQ&A10

A(内藤氏):資産運用は、投資資金を複数の異なる資産に配分して運用する「アセットアロケーション」から考えるのが基本です。仮に、これから投資を始めようという初心者であれば、まずは現金や預貯金、投資信託、株式、国際など金融資産100%で問題ありませんが、資産規模が1000万円を超えた時点でもう、土地といった実物資産の組み入れも検討した方が良いというのが、私の考え方です。

また、外貨の保有に関しては、為替リスクがあるから投資をためらう日本人は多く存在しますが、円100%の資産はむしろ、極めて大きな円安リスクを取っているといえます。

もし、将来の為替レートが円安なのか円高なのかわからないのなら、円と外貨を50%ずつというのが基本です。円100%というのは、将来絶対に円高になるという強い確信を持った人が取るべき資産配分になります。

保有する資産は円と外貨、金融資産と実物資産(不動産)というように4つの種類に分類でき、もし資産金額の合計が3000万円だとすれば、金融資産に1000万円、実物資産に2000万円、円と外貨は50%ずつとして……

円の金融資産:500万円
円の実物資産:1000万円
外貨の金融資産:500万円
外貨の実物資産:1000万円

……といった資産配分を考えることができます。

ただし、上記はあくまで基本計で、それぞれの資産運用の目的、リスクやリターンに対する考え方によりチューニングしていく必要もあるでしょう。仮に、同じ不動産であっても海外に物件を持つのが不安であれば国内に多めに回すことも考えられますし、土地はすぐに換金できないケースもあり、そういった点を考慮して金融資産に比重を置くなど、個々に最適化していくのもポイントです。

内藤忍

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