資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、資産形成にまつわる悩みや質問に答える、本シリーズ。今回のテーマは、「国内不動産投資」。投資対象の選択基準について、内藤氏が答えます。ーーー

都心ワンルームと郊外アパート1棟、どちらがお勧め？

Ｑ（質問者）：日本国内の不動産投資についてお聞きします。資金が限られるので、都心のワンルーム投資と郊外のアパート一棟ものの2つを検討していますが、どのような選択基準で決めたら良いでしょうか。

Ａ（内藤氏）：おっしゃる通り、限られた資金で不動産を買う場合、都心の一棟ものは億単位となり、おいそれと手が出ません。選択肢としては、都心ワンルームか郊外でアパート一棟を買うということになりそうです。

都心の中古ワンルームは、私も投資をしていますが、人口が他のエリアに圧倒的に多く賃貸需要が旺盛なことから空室リスクが低く、不動産投資の中では安定した収益を上げられる投資対象です。

私がお願いしている、仲介・管理会社の場合、約２万戸の管理物件の入居率は99％以上（2018年7月末現在）で、ほぼ満室といって良い状況です。その代わり、利回りは4％台と、他のエリアに比べると低くなります。

他方、郊外のアパート一棟ものは、東京都心ではなく、神奈川県、千葉県、埼玉県、あるいは関東以外の地方の物件が主流になります。利回りは1ケタの後半、地域によっては、2ケタのものもあります。しかし、全体の空室率は高く、都心の中古ワンルームのように、ほぼ満室と言う訳にはいきません。物件価格は安くなりますが、賃貸ニーズが都心に比べると低いので、こういったことになるのです。

つまり、郊外アパート一棟ものは空室リスクのある分、利回りが高くなっているという訳ですが、中には空室率の低下に成功して満室に近い賃貸実績を誇る物件もあります。こうなってくると、収益性は一気に高まります。