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【31】インデックスファンドの分散投資or不動産投資、どちらを選べばいい?

資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、資産形成にまつわる悩みや質問に答える、本シリーズ。今回は「投資対象の選定」です。ともに、長期運用に向いているとされるインデックスファンドと不動産ですが、どちらを選べばいいのでしょうか。ーー

インデックスファンドの分散投資or不動産投資、どちらを選べばいい?

Q(質問者):1000万円の運用資金があります。インデックスファンドの分散投資か、不動産投資にするか悩んでいますが、どちらに投資した方がいいでしょうか。

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A(内藤氏):資産運用の方法としてベストなのは、金融資産と実物資産を組み合わせる「ハイブリッド投資」だと考えています。私自身の資産運用も2つの資産をバランス良く組み合わせて実践しています。

話を分かりやすくするために、「1000万円を金融資産で運用する場合」と、「1000万円の借入をして、2000万円で不動産投資する場合」を比較してみましょう。

1000万円でインデックスファンドを組み合わせて、国内外の株式、債券、REITなどに分散投資した場合、過去の実績から平均すると年間5%程度のリターンが期待できます。しかし、金融商品ですから、株価が下落したり、円高になれば資産はマイナスになってしまいます。

例えば、リーマンショックのような事態が起きたとしたら、分散投資したとしても資産の20%前後のマイナスの可能性はあります。つまり、1000万円の元手が800万円に減ってしまうことがあり得るということです。

一方、2000万円のワンルームマンションを東京都心中古で購入したとすると、年間の家賃収入は4.5%として90万円。1000万円を35年、2%で借りると年間返済は元本を入れて約40万円ですから、手取りが50万円と試算できます。投資元本に対してのキャッシュ利回りは金融資産と同じ5%となります(ただし、ローンで元本を年間20万円返済していますから、実質約7%の利回りになります)。

ただし、不動産投資の場合も、空室リスク、家賃下落リスク、災害リスク、金利上昇リスク、価格下落リスクなどが考えられます。せっかく物件を手にしても入居者がいないと賃料は得られず返済に追われるだけ。テナント付けのために家賃を引き下げると収益性は低下します。また、物件や設備が古くなるに従っても家賃下落リスクはありますし、修繕の必要性が生じる可能性もあるでしょう。何より怖いのは災害リスクで、大規模被災で建物がダメになるケースはゼロでありません。景気によって金利や物件価格が上下することもあります。

内藤忍

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