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【32】旧耐震の古い物件に投資しても大丈夫?

資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、資産形成にまつわる悩みや質問に答える、本シリーズ。今回の質問は不動産投資に関するもので、「旧耐震の物件を買っていいのか」という内容です。築古物件は投資に向いているのでしょうか。ーー

旧耐震の古い物件に投資しても大丈夫?

Q(質問者):国内不動産には建設時期によって旧耐震と新耐震という2つの耐震基準があ
ると聞きました。旧耐震の古い物件は投資しない方が良いのでしょうか?

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A(内藤氏):「旧耐震」「新耐震」というのは、建築の構造基準で、1981年5月31日までの建築確認において適用されていた基準が旧耐震基準であり、その翌日以降に適用されている基準を新耐震基準と分類しています(建物の完成時期ではなく、建築確認を受けてい
るタイミングです)。

当然のことながら、新耐震基準の物件の方が厳しい基準で建てられています。震度7程度の地震でも倒壊しない基準と言われており、旧耐震基準の物件は新耐震基準物件に比べ、強度の点では劣っていることになります。

また、出口戦略においても、旧耐震物件は敬遠される傾向がありますから、売却に時間がかかったり、価格を下げなければ買い手が付かない可能性もあります。こういった違いあるため、金融機関から融資を受けて物件を買う場合も、対象が旧耐震なのか新耐震なのかで姿勢に違いがあるかもしれません。

しかし、不動産は建物の価値もありますが、何と言っても一番の価値は「ロケーション(立地)」にあります。立地の悪い場所にある新耐震物件と都心のど真ん中にある旧耐震の物件のどちらを選ぶかと言えば、私は後者です。

また、耐震基準よりも、建物が木造なのかRC(鉄筋コンクリート)なのかの方が重要だと言う意見もあります。また、地震で倒壊しないとしても、建物価値が維持できるかは別問題です。新耐震だから絶対に安全とは言えないのです。

内藤忍

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