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【37】海外保有不動産の運用で注意すべき手は?

資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、資産形成にまつわる悩みや質問に答える、本シリーズ。今回は「海外不動産投資」がテーマです。優良な立地に物件を持つ以外に押さえておくポイントとは何でしょうか。ーー

海外保有不動産の運用で注意すべき手は?

Q(質問者):完成前のプレビルドで購入した海外不動産物件の完成が迫ってきました。今後は運用フェーズに入りますが、何に注意すべきでしょうか。

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A(内藤氏):工事が着工される前に物件を購入するプレビルドは、ASEANなどアジアの新興国不動産投資でよくみられる支払方法です。販売開始時に値下げされるケースが多く、建物の建築が進むにつれて価格が上昇する可能性があり、安いうちに買っておき高くなった時点で売却することができます。一方、物件の竣工前にお金を支払いますから、ディベロッパーの倒産などで物件が建たず損失を生み出すリスクがあるなど、メリットとデメリットがある方法と言えます。

さておき、プレビルド物件が完成すると、いよいよ客付けが始まり、むしろ不動産投資としては、ここからがスタートです。テナントを付けて、賃料収入を稼ぐことによって、収益物件としての価値が生まれます。

そこでポイントになるのは、物件を管理する現地の管理会社の存在です。メンテナンスや家賃の回収といった管理本来の業務だけではなく、現地のテナント需要を取り込み迅速に良質なテナントを確保する能力が彼らには求められます。ところが、そういった優秀な管理会社を見つけるのは意外に難しいというのが、これまで海外不動産投資を行ってきた、私の実感です。

ロケーションが抜群の物件であっても、管理会社のリーシング能力が低ければ、テナントが付きませんから空室になってしまいます。逆にロケーションがそれなりであっても現地の管理会社のテナント付け能力が高ければ、駐在員の賃貸需要を取りこんで、満室にしてしまうというケースもあるのです。

内藤忍

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