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【38】低コストのインデックスファンドが出たら、スイッチすべき?

ふたつ目の理由は、「将来の動き」です。今後、信託報酬がさらに引き下げられるファンドが出てくる可能性もあります。信託報酬にほとんど差が無いのに、手間をかけてスイッチしても、将来またコストが変わってしまう可能性があります。スイッチするのに手間がかかったり、信託財産留保金が取られるファンドもありますから、その手間やコストも考える必要があります。

みっつ目の理由は「ファンドのクオリティ」です。信託報酬が低くても、残高が積み上がらなかったり、流入・流出が激しいファンドは、安定した運用が難しく、インデックスに連動した運用がしっかりできない可能性があります。安定的に残高がある程度の水準まで積み上がっている、実績のあるファンドの方が安心感はあると言えるのです。

慌てて信託報酬が低いファンドに切り替えるのではなく、トータルのコストや、残高の推移、インデックスとの連動性といった運用実績を比較して、スイッチングコストも考慮した上で、最終判断をするのが良いと思います。

内藤 忍 (ないとう しのぶ)

株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、金融機関勤務を経て1999年にマネックス証券の創業に参画。同社は、東証一部上場企業となる。その後、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役などを経て、現職。著作は40冊以上。2015年には銀座に「SHINOBY`S BAR 銀座」をオープン。無料のメールマガジン「資産デザイン研究所メール」は購読者が約47,000人という人気

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内藤忍

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