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【41】一棟物件とワンルーム、同じ不動産でも何が違う?

資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、資産形成にまつわる悩みや質問に答える、本シリーズ。今回のテーマは「国内不動産投資」です。一般的に投資対象は一棟もの都ワンルームにわけられますが、どのような違いがあるのでしょうか。ーー

一棟物件とワンルーム、同じ不動産でも何が違う?

Q(質問者):首都圏で不動産投資を検討しています。一棟物件かワンルームのどちらを購入するか迷っていますが、両者の違いを教えてください。

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A(内藤氏):私自身、東京23区内に一棟物件とワンルームの両方を購入し、インカムゲインが得られる仕組みを作っていますが、このふたつは同じ不動産投資の対象であっても、別ものと考えた方が良いでしょう。

ある一棟物件は購入して1年過ぎたころ、既にエアコンが壊れて交換、貯水槽から異音がして修理、トイレの異臭騒ぎで対応……と、様々なトラブルが発生しました。幸い管理をお願いしている方がしっかりしているので、対応をお任せしていますが、つくづく一棟ものは投資ではなく経営だということを実感します。物件まるごとを所有するわけですから、各部屋はもちろん共用部、外壁、その他設備など、建物に関するすべてを一手に引き受けないといけません。

一方のワンルームは、中古物件ですが大きなトラブルはありません。入居者も安定して入っており、管理会社がしっかり管理してくれるので手間はまったくかかりません。毎月の家賃とローンの支払いを通帳に記帳して確認するだけです。

このように比較してみると、これから不動産投資を始めようという人は、まずは中古のワンルームから投資してみるのが良いと思います。流動性も高く、いつでも売却可能ですから、万が一思い通りの投資成果が実現できなければ撤退するのも比較的簡単です。

そしてワンルーム投資に慣れ、さらに収益性を高めたい、投資規模を拡大させたいというなら、一棟物件にトライすればいいでしょう。あるいは、なるべく手間をかけずに不動産投資をしたいならワンルームに特化するという手も考えられます。いずれにしても、ふたつの違いを理解し、自分に合った投資対象を見つけることが、後悔しない不動産投資を実現すると思います。

内藤 忍 (ないとう しのぶ)

株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、金融機関勤務を経て1999年にマネックス証券の創業に参画。同社は、東証一部上場企業となる。その後、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役などを経て、現職。著作は40冊以上。2015年には銀座に「SHINOBY`S BAR 銀座」をオープン。無料のメールマガジン「資産デザイン研究所メール」は購読者が約47,000人という人気

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