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【56】確定拠出年金を使った資産運用の注意点とは?

資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、資産形成にまつわる悩みや質問に答える、本シリーズ。今回のテーマは「確定拠出年金」です。どういった点に注意しながら活用すれば良いのでしょうか。ーーー

確定拠出年金を使った資産運用の注意点とは?

Q(質問者):確定拠出年金を使った資産運用をしていますが、自分が証券会社で積立して
いる資産と合わせて運用する場合、どんな注意点があるでしょうか。

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A(内藤氏):確定拠出年金には、税制上のメリットがありますから、制度を利用できる人は活用すべきです。ところが、せっかくの仕組みなのに上手に使っていない人が多いのは残念なことです。

まず、自分が加入している制度の運用商品の品揃えを確認しましょう。低コストのインデックスファンドのラインアップがどうなっているかが重要です。もし、特定のアセットクラスの商品が欠落しているのであれば、無理に別のアクティブファンドで運用するのはやめて、その資産については確定拠出年金ではなく、自分が証券会社で運用している資産で代わりに運用するようにします。

ポイントは、自分で運用している資産と確定拠出年金を合わせて、アセットアロケーションを考えていくことです。

例えば、確定拠出年金は日本株100%で100万円の残高、他方、証券会社の一般口座で先進国株式50%、新興国株式50%で合計100万円の残高であれば、2つを合わせると、200万円で日本株50%、先進国株25%、新興国株25%というポートフォリオです。このケースであれば、うまくバランスがとれていることになります。

すなわち、それぞれのアカウントでは資産配分が偏っていたとしても、全体での比率が理想通りのアセットアロケーションになっていれば問題ありません。

まず、確定拠出年金だけでアセットアロケーションできるかどうか確認して、足りない商品があれば自分の資産運用で補うようにすれば、誰でも理想的な資産運用を実現することができるのです。

なお、ご存じでしょうが、確定拠出年金には「企業型確定拠出年金(企業型DC)」と「個人型確定拠出年金(iDeCo)」の2種類があります。

前者は企業が決まったルールに基づきお金を拠出し、会社員の退職金制度の一環。後者は個人が掛け金の金額を決め、自身でお金を出して運用を行います。その際、拠出金は全額所得控除の対象になるというメリットも。あるいは、企業型DCでも従業員が一部掛金を上乗せできる「マッチング拠出」という制度も用意されているケースもあるようです。ご自分の立場やどういった制度を活用できるのか確かめ、うまく使っていきましょう。

内藤 忍 (ないとう しのぶ)

株式会社資産デザイン研究所代表取締役社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、金融機関勤務を経て1999年にマネックス証券の創業に参画。同社は、東証一部上場企業となる。その後、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役などを経て、現職。著作は40冊以上。2015年には銀座に「SHINOBY`S BAR 銀座」をオープン。無料のメールマガジン「資産デザイン研究所メール」は購読者が約47,000人という人気

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