資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、各界のプロフェッショナルと投資談議に花を咲かせる、この企画。2016年最初は「新春特別編」として、昨年の振り返りや今年の投資環境、内藤氏自身が注目しているジャンルについて、お話しいただいた。
円安が進まず、
原油価格下落でマイナス影響も
皆さま、あけましておめでとうございます。昨年は、マネーカフェで海外不動産をはじめ、ユニークで注目度の高い資産運用の方法についてゲストと一緒に紹介してきました。今年も、有益で付加価値の高い情報をお届けしていきます。どうぞよろしくお付き合いください。
さて、今回は新春特別編ということで、昨年の投資環境の振り返りからはじめてみましょう。
2015年のマーケットは、円安が進まず、日経平均株価も一時2万円を超えたものの、夏に起きたチャイナショックで下落に転じることに。その後は回復に向かいましたが、年内は2万円を下回る水準で推移しています。決して悪くはなかったのですが、想定よりリターンを得られなかったという投資家が多かったのではないでしょうか。
原油価格の下落も著しく、新興国や資源国はマイナスの影響を受けて、マレーシアリンギットやロシアルーブルのような新興国通貨は下落に見舞われました。
円安トレンドが一服したこともあり、外貨投資は少し落ち着いた1年になりました。加えて、新興国はアメリカの利上げに伴う資金の引き上げ、中国の景気減速でマイナス影響やリスク要因が認められたので、これまでのように積極的ではなく、様子見や慎重なムードになる個人投資家も増えましたも。一方で、ベトナムのように、外国人に対する不動産投資規制が緩和することで、新たな投資家を呼び込むような動きもありました。
このように、日本のみならず世界経済が変化するなか、資産の分散について考える人、とりわけグル―バル分散投資を意識する層は増えています。株であれば日本の個別株だけに投資するというのではなく、金融資産と実物資産、円や外貨、日本、海外なら先進国や新興国というように、バランス良く資金を配分するのです。そのほうが円高・円安で慌てる必要はなく精神的にも安心で、国内外を問わず様々な対象から選んだほうが、長期的なお金の置き場所としてマッチしていると思います。