ブラック・プレミアムクラスを中心に、ポイ探の菊地崇仁氏が、クレジットカードの隠された使い方や機能を探っていく本企画。プライベートやビジネスに何かと身近な存在だからこそ、本当の価値を知り、使いこなしていただきたいというのが目的だ。

今回のテーマは、ビジネスオーナーにとって付加価値を見いだせるカード、さらには最新のポイント事情など、幅広いトピックを紹介する。

JALマイルでホテル上有資格を獲得

国内外のホテルグループでは、手厚い会員プログラムを用意していますが、ホテルオークラやJALホテルズで提供されているのが、入会費や年会費不要の「One Harmony（ワンハーモニー）」。具体的なプログラム内容は次の通りです。

●宿泊利用：1000円につき20ポイント
●レストラン利用：1000円につき10ポイント
●公式ホームページから国内ホテルの予約、宿泊利用：1泊につき100ポイント

他社ホテルグループと同様、One Harmonyでも、年間の獲得ポイント、宿泊日数（資格基準は毎年1月～12月の実績）に応じて、ステータスを付与。5000ポイント以上または10泊以上で「ロイヤル」、1万5000ポイントまたは30泊以上で「エクスクルーシィヴ」に招待されるという仕組みです（会員ステータスは毎年4月～翌3月まで有効）。ステータスによる主な特典も紹介しておきましょう。

●ロイヤル：新聞無料サービス、クイックチェックイン、レイトチェックアウト、ボーナスポイント＋25％

●エクスクルーシィヴ：新聞無料サービス、クイックチェックイン、レイトチェックアウト、客室アップグレード、ボーナスポイント＋50％

さらに、JALマイレージバンク会員であれば、ニッコー・ホテルズ・インターナショナル、ホテルJALシティにホテルマイル積算対象プラン（J‐SMARTプラン）で宿泊すると、ホテルマイルに追加して、ロイヤルなら10％、エクスクルーシィヴなら30％と、JMBボーナスマイルも付与されます。

これらに加え、加盟ホテルごとで、ポイントアップ、宿泊割引、施設（ジム、プール、サロンなど）の優待利用など、様々な特典も用意。会員になり、宿泊実績を積み重ねればいいわけですから、とても満足度の高い会員プログラムではないでしょうか。

なお、宿泊やレストラン利用で貯まったポイントは、宿泊や部屋のアップグレード、ギフト交換にも使うことができます。この点も、他のホテル会員プログラムと遜色はありません。

このように内容の充実したOne Harmonyですが、さらに付加価値を見出すことのできる特典が、この5月から始まりました。それが、JALマイルからOne Harmonyポイントへの移行サービスです。One Harmony会員、かつJMB日本地区会員が対象で、交換レートは１万マイル＝4500ポイント（2016年3月31日までは1万マイル＝6000ポイント）になっています。

そこで、この特典の上手な使い方を紹介します。お勧めなのは、貯まったJALマイルをOne Harmonyポイントに移行して、ロイヤルやエクスクルーシィヴといった上級ステータスを取得してしまうことです。One Harmonyのステータスは宿泊日数だけではなく、保有ポイントでもカウントされるので、JALマイルの移行でも問題ありません。むしろ、有効期限の近いマイルが多くあるなら、こうすれば有効活用にもつながります。

また、貯まったマイルを特典航空券に換える人は多いでしょうが、レジャーシーズンなど時期によっては取りづらいことも。ならば、JALマイルはOne Harmonyポイントに移してステータスの取得、及び宿泊や部屋のアップグレードに使い、エアチケットはJALカード（もしくは他のカード）で購入すればいいのです。マイル⇒特典航空券だとフライトマイルは付与されませんが、JALカードで購入すればフライトマイルやJALのサービスステイタスに関連するFLY ONポイントが獲得でき、トータルではこちらの方がメリットは高いでしょう。

あるいは「SPG®アメックス」のカードホルダーであれば、SPGのエリートレベルであるゴールド会員資格を保有しつつ、カード利用で「スターポイント」を貯め、さらにスターポイントをJALマイルに移行⇒One Harmonyポイントに換えて上級ステータスを獲得すれば、SPGとOne Harmonyという、ふたつのホテルグループで付加価値の高いサービスを受けることも可能になります。

このように、ホテルの会員プログラムとマイル、さらには関連するクレジットカードを使えば、より上質な体験ができます。JALマイルの使い道に困っているなら、活用してはいかがでしょうか。

 
様々な特典があるホテルの会員プログラムは、入っておきたいサービス。さらに、ポイントやカードを利用することで、よりハイクラスのサービスも受けられるということだ。

菊地 崇仁 (きくち たかひと)

株式会社ポイ探 代表取締役。大学卒業後、日本電信電話株式会社（現NTT東日本）入社。システム開発に携わる。2002年の同社を退社後、友人と共に起業。ポイント交換案内サービス・ポイ探の開発に携わり、2011年代表取締役に就任。現在All About、カカクコム、ECZine、日経トレンディネットへ記事を提供する他、テレビ・雑誌でも活躍中。著書に「新かんたんポイント&カード生活 (自由国民社)」、「できるAmazonスタート→活用 完全ガイド（インプレス）」他。

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