ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントサービスの付加価値を見出す本連載。今月は新たに発行が始まったクレジットカード・デビットカードのリニューアル情報を中心にお届けする。−−−
エンリッチ読者の皆さま、ポイ探の菊地です。前回は、三井住友カードの「家族ポイント」について取り上げました。生計の同一性を問わず二親等以内の家族を対象にしたポイント優遇は画期的で、現代の家族像にもマッチしています。同社は今年2月にも学生を対象に、携帯電話キャッシュレス、サブスクリプションを対象カードで支払うとポイント還元率をアップする「学生ポイント」の提供も始めました。近年は、各世代のライフスタイルに合わせたサービスが目立ちます。今後も気になる取り組みがあればお伝えします。
アメリカン・エキスプレスから
新たなトラベル系カードが登場
今月は、新たに登場したカードをいくつか取り上げます。一つ目は、アメリカン・エキスプレスとマリオット・インターナショナルによる提携クレジットカード、「Marriott Bonvoy(マリオット ボンヴォイ)アメリカン・エキスプレス・プレミアム・カード」と「Marriott Bonvoyアメリカン・エキスプレス・カード」です。2月24日より発行が始まっています。これに伴い、同じく両社が扱っていた「スターウッド プリファード ゲスト アメリカン・エキスプレス・カード(SPGアメックス)」の募集は終わることに。カード記載に有効期限まで使えますが、特典はMarriott Bonvoyアメリカン・エキスプレス・プレミアム・カードに変更されます。また、有効期限後はMarriott Bonvoyアメリカン・エキスプレス・プレミアム・カードのカードが送られてきます。
基本的なスペックにも触れます。Marriott Bonvoyアメリカン・エキスプレス・プレミアム・カードの年会費は4万9500円。家族カードは1枚目無料で、2枚目以降1枚当たり2万4750円です。ポイント付与はMarriott Bonvoy参加ホテルの利用で100円=6ポイント、一般加盟店利用は100円=3ポイントになっています。ポイント付与率はSPGアメックスと同じですが、年会費は上がりました。ただし、SPGアメックスは家族カード1枚目から1万7050円かかっていたので、ファミリー層にとってはお得になります。
エリート会員資格は変わらず「Marriott Bonvoyゴールドエリート」が付帯していますが、これに加えて、カード利用年間400万円以上で、通常は年間50泊以上した場合に付与される「Marriott Bonvoyプラチナエリート」を取得できるようになりました。同資格には、スイートを含む居室のアップグレードやラウンジ利用、朝食無料サービスを含むウェルカムギフト、レイトチェックアウト、宿泊時の50%のボーナスポイントといった特典を受けられます。ただし、SPGアメックスの継続特典だった無料宿泊券は、カード利用年間150万円以上の条件が付きました。
なお、一般カードに相当するMarriott Bonvoyアメリカン・エキスプレス・カードの年会費は2万3100円(家族カードは1枚無料、2枚目以降1万1550円)。エリート会員資格は「Marriott Bonvoyシルバーエリート」が自動付帯し、年間100万円以上の利用で「Marriott Bonvoyゴールドエリート」が取得できます。プレミアムカードと同じく、年間150万以上のカード利用+継続で無料宿泊特典がつきます。
このように、切り替えにより基本スペックや付帯特典が変わったわけですが、家族カードを1枚持っていた場合はトータルの年会費は安くなり、SPGアメックスから年間150万円以上カードを使っていた場合、今回の変更による影響はほぼありません。むしろ、年間400万円以上の利用で「Marriott Bonvoyプラチナエリート」の資格を得られます。メリットを享受できるなら、持ち続けて構わないと思います。
−−−トラベル系の特典が充実しているMarriott Bonvoyアメリカン・エキスプレス・プレミアム・カード。コロナ禍以降に役立つかもしれない。次回も引き続き、新カードの情報をお届けしよう。