シンガポールに拠点を置く独立系ホスピタリティグループ バンヤン・グループは、日本初進出となるグループの旗艦ブランドリゾート「バンヤンツリー・東山 京都」を2024年7月26日にソフトオープンすると発表した。
バンヤンツリー・東山 京都の建設地には、かつて「ホテルりょうぜん」が存在した。60年以上前にこの地で誕生したホテルりょうぜんは、清水寺や高台寺まで徒歩10分圏内という東山の観光エリアの中心に位置しながら京都市内を一望できる高台に佇む老舗の宿で、京都では珍しく温泉の源泉を有することから、京都歌舞伎の南座や撮影所を利用する多くの俳優や著名人に愛されてきた。バンヤン・グループは同社のサステナビリティの理念に沿い、その歴史や資産を次世代へ継承すべく、この場所でしかできない再開発を目指したという。
約12 mの高低差を持つ敷地には、特徴的な3つの庭と竹林があり、建物と共にゲストに独特の景観体験を提供する。サステナビリティの取り組みでは、かつてのホテルりょうぜんの時代からあった敷地を囲う石垣をできるだけ残し、同時に補強することで、歴史を継承した。また、敷地内に自生していた苔を工事期間中に培養し、石垣にも植えることで、かつての苔生す石垣の姿を取り戻す工夫が凝らされている。既存のシンボリックな樹木は保存し、荒廃していた竹林も手入れし、復元することに成功している。