日々の農作業を効果的に練習に取り入れる
E:当時の練習メニューとスケジュールを教えてください。
山田:私は32歳で実家に帰って農業をはじめたんです。それまでの会社員の生活と違って、農業は夏は朝早くから夜遅くまで働きづめ。冬になると朝は比較的ゆっくりで、夜も早めに終わるんです。だから冬に多く練習の時間を取るようにしました。そう考えると、4月に開催される宮古島のトライアスロンはスケジュールが組みやすいんです。12月から練習をはじめて、4ヶ月間みっちり練習する。
E:1日の練習時間を教えてください。
山田:冬は朝5時から2時間バイクで走って夕方は1時間のランニング。週2~3回夜にプールで泳ぎます。夏は朝5時から仕事なので、昼間の3時間休憩のうち1時間をランの練習にあてます。
E:夏場の炎天下に走るんですか?
山田:そうです、炎天下で走ります。1回倒れましたけどね(笑)。冬は朝8時から仕事だから、5時から2時間ローラー台でバイクの練習。テレビを前に置いてビデを見ながら。好きなアクション系の映画を見てると、戦いのシーンで必ず足が止まってしまうんです(笑)。あとは、ロングジョグも練習に取り入れてましたね。朝6時くらいからスタートして、歩くペースのジョグを続けて夕方に帰ってくる。これで体幹を作りました。
E:農作業はただでさえ大変だと思いますが、トライアスロンの練習との両立はつらくなかったですか?
山田:家から畑まで移動するときに車を使わずランニングで帰ったり、普段の作業を練習に取り入れるんです。ネギの収穫作業ではわざと身体に負荷のかかる体制で続けたり、畑に水をまくホースを引っ張るときも鍛えたい部位を意識して負荷がかかるようにしたり。ネギ植えをするときもDHバーのポジションで続けて、とにかく日々の農作業で一番しんどい時間を練習に取り入れるんです。
でもやり甲斐があったので、ぜんぜん苦にはなりませんでしたね。当時は飲み会はほとんど行かなかったですね。夜の9時、10時になると眠くなる。昨日も9時半にホテルに帰ってすぐ寝てしまいまして。今でも朝に1時間は走ってますよ。東京にいるときは朝に皇居のまわりを1周。
*この記事は2016年8月に掲載されたものです