企業経営者等、様々なビジネスエリートに競技者の多いトライアスロン。彼らを虜にするトライアスロンとは何なのか? このコラムでは、都市型トライアスロンコミュニティ「青山トライアスロン倶楽部」代表の関口秀之氏による解説でその魅力を探ります。–––
*2014年に好評いただいたコラムを再構成してお届けしています。
私がトライアスロンを始めた理由
私がトライアスロンを始めたのは2010年。早くも4年目を迎えました。子供の頃から水泳は苦手でクロールは25mが限界。平泳ぎでも200mが1度に泳げる最長距離でした。陸上も苦手で、短距離も長距離も嫌い。だけど好きだったのは自転車。いつも小学校の帰りに近所の自転車屋さんに寄り道し、お休みの日には友達を引き連れて隣町まで“ロングライド”。そんな自転車好きな子供だったことを思い出したのも、トライアスロンを始めてしばらくしてからのことでした。
さて、そんな私がトライアスロンを始めた理由は?と言うと…
以前スポーツイベントやPRのビジネスをしていた頃、スポーツビジネスのマーケットを調査する機会があったのですが、やはり際立って成功を収めているのは東京マラソンでした。しかしながらほとんどの方が抽選で落ちてしまうという現実を知り、「この人たちの想いを何か他のことで叶えることはできないか?」「このパワーを他にチャレンジすることに活かせないか?」と思った事がきっかけです。
そこで考えたのが誰でも参加できる“トライアスロン大会”。東京マラソンに参加できなかった人がチャレンジできるよう、すぐに行動に移し日本トライアスロン連合に提案へ。しかしトライアスロンの知識は皆無ということでまずは、日本トライアスロン連合のPRやイベントのお手伝いをすることに。そんな中、「良いコーチを紹介するからクラブをやらないか?」と声をかけていただいたのが日本トライアスロン連合の大塚専務理事でした。コーチはトライアスロンナショナルチームの飯島監督。日本を代表するトライアスロンチーム「チームケンズ」の生みの親でもあります。スポーツは見るよりまず自分でやるが信条だった自分は、水泳もマラソンも大嫌いでしたが、自分もクラブ設立とともに始めることに。これが青山トライアスロン倶楽部設立の背景であり、私とトライアスロンの出会いです。
手軽にリレーからスタートした私のトライアスロン
クラブ設立は2010年4月。当時はまだトライアスロン経験がありません。「いち早く経験して多くの方にその魅力を伝えたい。」と言う気持ちは強いものの、まだ泳げず自転車も持っていない。そんな時にトライアスロンには“リレー”というカテゴリーがあると知りました。つまり、3人1チームで各自1種目。スイマー、サイクリスト、といっしょにやれば自分はランのみで超手軽。近くでは伊豆大島トライアスロンが6月にあったので、「まずは!」とエントリーしました。レースに向けてチームでいっしょに練習したり、レッスンで教わったりと短期間ながら準備をして本番に臨みました。
自分はランのみなので、最初の種目であるスイムスタート時の緊張もなく、「みんなの写真を撮らなきゃ」という意識が強い完全なる観光モード。リレーがスタートしてからは30分もかからずスイムフィニッシュ、からの、今度はバイクパートの仲間を撮影。そうこうするうちに自分の出番です。ランのパートがスタートしてみて何が良かったかというと、3種目続けて行う通常のカテゴリーとスイムから同時のスタートだった事。スイム、バイクと2種目やってきた方々と、万全の状態でランのみ担当する自分では明らかにスタミナに差がありました。マラソン等の持久系スポーツが嫌いだった自分が、ランで“ぐんぐん人を追い抜く快感”を味わう事で「トライアスロンって楽しい!」と思った瞬間でした。
フィニッシュ後は、みんなそろってビールで乾杯。フィニッシュ後の一杯は記憶に残るものでした。そして、伊豆大島トライアスロンはレースをフィニッシュしてすぐに温泉に無料で入れることが特徴なのですが、そこでお揃いのチームウェア(トライスーツ)を着ていた方々を見て「来年は一番かっこ良いチームウェアを作って大勢で来よう!」と心に決めたのでした。