ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

九島辰也が語る2015-2016日本カーオブザイヤー
マツダ・ロードスター最高点の半分はデザイン

そこを鑑み選考し、そうしたコメントを残した。日本カーオブザイヤーオフィシャルのホームページをご覧いただければわかる。もちろん、60人の選考委員は様々な経験と見識からいろいろな物差しを持っていることは忘れてはならない。その上での配点というのが、じつにおもしろいと私は思う。

SME201512_2

ただ、そうした評価軸とともにあるのが個人の嗜好。じつはそのポイントで私はロードスターに最高点を入れた。10点のうちの半分はそれにあたる。その嗜好とはデザイン。投票までの間に何度もこのクルマに接したが、その都度デザインのクオリティは高いと思わずにいられなかった。素直にかっこいいと呼べる仕上がりだ。それに何かに似ているといったところがないのがいい。つまり、オリジナリティが高い。もし「じつはこのデザインはイタリアのカロッツェリアが手がけていて……」、なんて囁かれたたら信用してしまうだろう。そのくらいかっこよくもあり、色気もある。

といった話を投票したモデル一台ずつにしていたら切りがないのでこれでとどめるが、最後に選考するのは容易ではないことだけ付け加えておこう。特に輸入車の場合は開発者に直接インタビューすることが難しい。そうなると彼らの意図が十分に伝わらないことで、高い評価まで至らないことは少なくない。その辺をどう解釈するか。選考するという責任ある立場として普段からの勉強が怠れないことは言わずもがなである。

九島辰也

九島 辰也 (くしまたつや)

モータージャーナリスト兼コラムニスト/ 日本カーオブザイヤー選考委員。「Car EX(世界文化社)」「アメリカンSUV/ヨーロピアンSUV&WAGON(エイ出版社)」編集長「LEON(主婦と生活社)」副編集長を経て、現在はモータージャーナリスト活動を中心に様々なジャンルで活躍。2015年からアリタリア航空機内誌日本語版編集長、2016年から「MADURO(RR)」総編集長もつとめる。

連載コラム

九島辰也

Return Top