宇宙を連想させるブルーダイアルと
写実的な月齢表示を備えるコスモウオッチ

モーターリゼイション到来を予見したオメガは1957年、時間の表示にプラスしてストップウオッチ、積算系機能を有するクロノグラフの傑作、スピードマスターを発表した。

高い精度に良好な視認性、堅牢さを特徴とするスピードマスターは耐衝撃性にもすぐれ、NASA（米航空宇宙局）の公正かつ厳格なテストに唯一合格。カーレースやラリー、未開地の走破といった地上での過酷な環境下での使用という想定以上のオーバースペックを備えていたことから、ライバル関係にある他の一流時計メーカーのクロノグラフよりも優位に立ち、以来、およそ半世紀という長い年月にわたって同局宇宙飛行士の標準装備品として人類の宇宙開発に貢献してきている。

1969年7月の人類初の月面着陸の瞬間をはじめ、1965年3月以降のNASAによるすべての有人宇宙ミッションほか、宇宙開発史の重要な瞬間にはいつもスピードマスターがあった。この主軸となるスピードマスターは、進化によるマイナーチェンジを行いながら連綿と作り続けられて現在も高い人気を誇り、そのバリエーションも豊富に存在する。

今回紹介するニューモデルは、こうしたスピードマスターのDNAを有し、パイオニア精神を引き継ぐものだ。月の満ち欠けを表示するムーンフェイズ機能を備えたスピードマスターの派生モデルは歴史もあり、世界的な漫画家である松本零士氏が、1985年製のスピードマスター ムーンフェイズの愛用者であることも広く知られている。

今春、スイスで開催された世界時計博「バーゼル・ワールド2016」で発表されたご覧の「スピードマスター ムーンフェイズ クロノグラフ マスター クロノメーター」は、計測に加えて、月面で着用された最初の時計であるスピードマスターにふさわしい機能として、月の満ち欠けを表示する。2015年に制定されたMETASとオメガによる厳格な新精度基準をクリアした、マスター クロノメーター認定モデルだ。