バブル期に実現した大空への夢
「アメリカでの視察以来、やっぱり街を上から見るのはいいな、という思いがずっと頭の中にあったんです。そして、ハワイでの体験飛行を機にそれなら自分で免許取っちゃえと。」
「最初、訓練するためのヘリの機体は借りてたんです。あの頃で1時間27万円ほどしましたね、レンタル料が。でも、高いもんだから思い切って中古を買いましてね。1億1千万円。教官も自分で雇って。当時はバブルの時代だったから新品を発注したら納品まで2~3年はかかるんですよ。でも、中古の機体ならすぐ手に入ったので、それと同時に新品の機体も発注して。届くまでの時間で免許を取ったんです。1億1千万円の中古ヘリも1年乗って同額で売れましたから、結局タダ。かかったのは燃料代だけ(笑)。機体を借りるのに1時間27万円で、免許を取るために訓練で100時間乗るとすると、それだけで2700万円もかかってしまいますから」。
現在、水野社長はアグスタウェストランドの双発タービンエンジンのヘリコプターを所有して、アルペン本社ビルの屋上ヘリポートから各地に飛び立っている。世界最速のヘリの乗り心地はどのようなものなのだろうか?
「それはもう早いですよ。単発エンジンのヘリとは大きく違う。早さを追求した機体で横幅もスリムだから、警察からは空のパトカーとして採用されてますね。やはり犯人を追いかけるには早いモデルが必要みたいです(笑)。この機体を選んだのにはもうひとつ理由があって、この本社ビルの屋上に設置したヘリポートを利用するには、エンジンを2つ積んだ双発式のヘリコプターでなければならないんですよ。街中のヘリポートだから万が一エンジンが停止する様なことがあっても、もう1つのエンジンでリカバリーできるように。双発式の中で、どうせなら一番早い機体がいいなと思って選んだのがアグスタです」。