松尾健太郎
待ちに待った夏がやってきた。夏はリゾートの季節。休みを利用して、海へ山へと出かける機会が多くなる。ENRICHの読者なら、海外の高級リゾート地で、優雅な休日を過ごされる方も、少なくないに違いない。
そこでリゾート用のワードローブが必要となるわけだが、若者ならともかく、ある程度の年齢がいった大人なら、あまり子供っぽい装いは避けたいもの。いつまでも安っぽいTシャツに短パンでは、せっかくのリゾート気分も台無しだ。しかし、勝手知ったるビジネスウェアと違って、ショートパンツやスイムウェアなどは、何を選んだらいいのか、よくわからない向きも多いだろう。
そこで今回は、大人のためのリゾートスタイルを研究する。よりファッショナブルに、よりラグジュアリーに、ワンランク上の装いを追求してみよう。
今回の Concierge
原田裕将さん（バーニーズ ニューヨーク新宿店セリングスーパーバイザー）
バーニーズ ニューヨークは、今年日本上陸25周年を迎える。ニューヨーク仕込みの素晴らしいセンスとディスプレイは、すっかり新宿のランドマークとして定着した。百貨店とセレクトショップの中間に位置し、品揃えの多さと、パーソナルなサービスを両立させているところが人気の理由であろう。1982年生まれの原田さんは、入社後銀座店に10年勤務し、今年2月から新宿店に異動となった接客のプロ。大人のためのリゾートスタイルを、わかりやすく紹介してくれた。
Q
「この夏、リゾートでおすすめの格好を教えてください」
A
「夏はとにかく麻素材がおすすめです」
——バーニーズ ニューヨークは、規模的にも、品揃え的にも、ちょうど百貨店とセレクトショップの中間のような感じですよね。
「はい、それぞれのいいところを両方持っているのがバーニーズ ニューヨークだと思っております。例えば、『スーツが欲しい』といってご来店頂いたお客様が、その後に、『女性へのギフトも買いたい』とおっしゃることはよくあるのです。そんな時、バーニーズなら、同じ担当者がブランドやメンズ、レディスの垣根も超えて、そのまま店内をご案内することが可能なのです。その分セールススタッフは、覚えなければいけないことがたくさんあり、大変なのですが（笑）」
——特別なお客様に対する、エクスクルーシヴなサービスは、他にもありますか？
「実は新宿店の一番上には、顧客の方専用のサロンがあるのです。９階はパーソナルショッピングスペースとなっていて、ソファでお寛ぎいただきながら、ゆったりとした雰囲気の中でお買い物をお楽しみ頂けます。10階には金土日のみ開くバースペースもあって、フリードリンクをお楽しみいただけます。ご家族連れのお客様も多く、サロン内では、お客様同士のコミュニケーションも盛んですよ。ご利用頂くには、まずご来店頂いて、顧客になって頂き、次回利用の旨を伝えていただく必要があります。しかしサロンを利用されたからといって、必ずお買い物をしていただく必要はありません」
——さて、夏のリゾートの装いですが、ルールが決まっているビジネスと違って、大人にとってはなかなか手ごわいテーマです。どんな格好がおすすめですか？
「まず夏の素材としておすすめしたいのは、麻素材です。そして素材感をしっかりとらえてコーディネイトすることが大事です。リネンにはリネンを合わせるということですね。それから大人の方ならば、カラーはパステルなどの明るいものではなく、グリーンやブラウンなどのアースカラーを中心とすると落ち着いた雰囲気でまとまると思います」
Q
「ショートパンツを中心にした、おすすめのコーディネイトを教えてください」
A
「細めのショーツを中心に、全身をすっきりまとめるのがコツです」
——ショートパンツのスタイルは、履きなれていないせいもあり、どういうコーディネイトをしたらいいか、悩んでしまいます。
「まずショーツですが、あまり裾幅の広いものだと子供っぽくなってしまうので、裾幅が細めのタイプがおすすめです。それに合わせて、全身もすっきり仕上げるのがコツですね。またバンドカラーのシャツは、今季イチオシのアイテムです。襟付きに比べ、首回りをすっきりさせることができます。シューズも細めのものを選んで、綺麗なラインを心がけましょう。色はあまり派手なものをチョイスしないほうが、大人っぽくまとまると思います」
Q
「大人が選ぶべきショートパンツを教えてください」
A
「ヒザ上丈で、幅が細めのものがおすすめです」
——大人に似合う“短パン”とはどういったものでしょうか？
「基本的には、“ジャケットの下に来てもサマになるもの”という視点でお選びになるといいと思います。丈は短すぎず、長すぎず、ちょうどヒザ上くらいで、モモの周りは、細めの方がいいですね。やはりパステルカラーなどは避けて、落ち着いた色目のものを。洗いがかかっているような製品だと、他のアイテムとの相性がいいので、コーディネイトがラクです。ブランドは定評のある、インコテックスやラルディーニあたりなら、間違いありません」
