Q
「日本とアメリカの、ファッションの違いはどんなところでしょう?」
A
「流行っているアイテムや、生地の使い方など、意外なところに多くの違いがあります」

——やはり日本とアメリカでは、流行や好みに大きな差がありますか?
「そうですね。実は意外なところに“違い”があるのです。例えばコットン・ベルベットとコーデュロイは、日本とアメリカは、生地の使い方が上下逆なのです。日本は順目で使うので、光沢が抑えられますが、アメリカだと逆目で使うので、より光沢が出るのです。華やかに見えるので、逆目遣いもおすすめです」
——なるほど、それは知りませんでした。他にも違いはありますか?
「アメリカでは、とにかくボウタイが流行っています。コットンスーツにボウタイという組み合わせは、非常にポピュラーです。しかも、そのほとんどが手結びのタイプです。これは、日本の方にも、ぜひマネして欲しいと思っています。日本だとボウタイは、ほぼすべて、最初から結んであるタイプですよね」
Q
「太っている人におすすめの生地、スタイルとはどんなものでしょう?」
A
「ストライプを選び、上着とパンツの一体感を出すことです」

——先ほどアメリカ人はすごい体型の人がいるという話が出ましたが、太っている人に具体的におすすめなのは、どんなスーツでしょうか?
「やはり生地は、はっきりしたチョーク・ストライプがいいと思います。スタイル的には前身頃にダーツを入れず、細腹をなくして、背中の生地を多めに取り、前裾が浮かないようにします。要するに、上着とパンツに一体感を出すということですね。横から見たとき、ヒッチコックみたいに見えてしまうとダメなのです。私はアメリカ人を相手にしているので、体型の補正には自信があります」