ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

シャツこそ、パンツこそ、オーダーがいい! ストラスブルゴ ハウステイラーズ ラボ

 

今回の Concierge その2
五十嵐徹さん(パンタロナイオ)

1987年、福島生まれ。大学在学中に、自らのブランドを立ち上げてしまうほど服好き。その後、コム デ ギャルソンのデザイナーだった、田中啓一氏に師事。パンツ専門職人の尾作隼人氏やアンブロージに影響され、大卒と同時にパンタロナイオを志す。愛知のパンツ職人のもとで修業の後、独立。独自のカッティング、縫製技術で、着心地とシルエットの美しさを両立させている。


Q

「オーダーパンツの魅力は何でしょうか?」


A

「シルエットと履き心地を両立させているところです」

新進気鋭のパンタロナイオ。山神シャツとタイユアタイのタイ、足元はガジアーノ&ガーリング。ダブルのスーツは、ジャケットを他の職人に任せ、パンツのみ自ら仕立てた。
新進気鋭のパンタロナイオ。山神シャツとタイユアタイのタイ、足元はガジアーノ&ガーリング。ダブルのスーツは、ジャケットを他の職人に任せ、パンツのみ自ら仕立てた。
シルエットは細いのに、履き心地がいい。その秘密は、五十嵐さんならではの、独特のカッティングと仕立てにある。オーダーパンツ、ウール7万8000円〜、コットン7万5000円〜(ストラスブルゴ ハウステイラーズ ラボTel.03-3470-6367)
シルエットは細いのに、履き心地がいい。その秘密は、五十嵐さんならではの、独特のカッティングと仕立てにある。オーダーパンツ、ウール7万8000円〜、コットン7万5000円〜(ストラスブルゴ ハウステイラーズ ラボTel.03-3470-6367)

——オーダーパンツならではのアドバンテージはありますか?

「細くてキレイなシルエットと、履き心地を両立させられるところが、最大の魅力だと思います。普通パンツというものは、シルエットがキレイだと、履き心地が悪くなり、履き心地を優先させると、シルエットがカッコ悪くなるものなのです。私のパンツの場合は、ヒザ位置などのバランスを微妙に変え、視覚効果を利用して、細く見せているのです。例えば、このパンツの裾幅はとても細く見えますが、実は21cmもあるのです」

——これは驚きました。どう見ても19cmくらいの感じですね。これで履き心地もよく、動きやすいのですね。

「動きやすさを得るために、生地をバイアスで使うというテクニックも使っています。生地は斜めに伸びますよね。これをうまく配置して、ストレッチ生地ではないにもかかわらず、伸縮性を持たせているんです。またお尻の部分は、長い生地を短く縫う“殺し込み”と呼ばれる方法で、窮屈にならないように工夫しています」

 


Q

「オーダーならではのディテールはありますか?」


A

「ヒップポケット、使っていますか?」

ベルトループを省いて、その代わりサイドアジャスターを付けるのがおすすめだ。ベルトなしでも穿けるというのが、職人の矜持である。
ベルトループを省いて、その代わりサイドアジャスターを付けるのがおすすめだ。ベルトなしでも穿けるというのが、職人の矜持である。
プリーツは内側に向いたインプリーツは、ドレッシーなスタイル。飾りとしてのプリーツは、ぜひ入れておきたいオプションだ。
プリーツは内側に向いたインプリーツは、ドレッシーなスタイル。飾りとしてのプリーツは、ぜひ入れておきたいオプションだ。
オーダーならではの3点留め式のフロント。最近は半数の人がボタンではなくファスナーを選ぶという。
オーダーならではの3点留め式のフロント。最近は半数の人がボタンではなくファスナーを選ぶという。
シャツと同じ生地をパンツのウエスマン裏に貼った例。シャツとパンツを同時にオーダーできるストラスブルゴなら、こういった芸当も可能だ。
シャツと同じ生地をパンツのウエスマン裏に貼った例。シャツとパンツを同時にオーダーできるストラスブルゴなら、こういった芸当も可能だ。
パンツのヒップポケットを取ってしまった例。美しいシルエットのためには、ない方がいいのだ。
パンツのヒップポケットを取ってしまった例。美しいシルエットのためには、ない方がいいのだ。

——オーダーならではのディテールを教えて下さい。

「私のパンツは、ベルトレスが多いのです。ベルトがなくても履ける、というのが一つのこだわりですから。サイドアジャスターをおつけすることが多いですね。それからあくまでも飾りとして、プリーツを入れることをおすすめします。私の場合は内向きの、インプリーツを入れることが多いですね。ちなみにインプリーツはドレッシー、アウトプリーツはスポーティと覚えておいてください」

——やはりフロントはボタン留めですか?

「基本は3つのボタンを使ったボタン留めですが、オーダーのうち半分くらいがファスナーを使ったものです。実はファスナーのほうが、作るのは難しいんですよ。ファスナー自体には、伸縮性がないですから。また夏用の薄い生地などにはファスナーのほうがいい場合もあります。ボタンだとアタリが出てしまうのです」

——裏地等はいじれますか?

「もちろん様々なものを選ぶことができます。ここではシャツとパンツを同時にオーダーされる方も多いので、そのシャツ生地をパンツのウエスト裏に貼ったりもできます。また裏地は通常キュプラですが、夏場だとべとつくことがあります。そこで吸湿性のいいコットンリネンの裏地を使ったりもします」

——あれ、このパンツにはポケットがありませんね。

「ヒップポケットって、使っていますか? お客様に聞いてみたところ、実は多くの人が使っていませんでした。そこでこれを取ってしまうこともできます。そのほうがシルエットはキレイになります」

松尾健太郎

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