デニムの着こなしほど難しいものはない。最もベーシックでシンプルなアイテムだけに、ちょっとしたシルエットの違いが、大きな差となって現れる。モデルのような体型ならいざ知らず、太っていたり、短足だったりすると、既製品で理想の一本を見つけるのは至難の技だ。そこで今回は、デニムこそオーダーメイドで作ろうという提案である。業界を代表するスタイリストで、マインデニム・ディレクターでもある、野口強氏が今回のConciergeだ。
今回の Concierge
野口強さん(スタイリスト、マインデニム・ディレクター)
1964年生まれ、大阪府出身。スタイリスト大久保篤志氏のアシスタントを経て、1989年に独立。以来、多くの芸能人や雑誌などのスタイリングを手がける、当代一の売れっ子スタイリストである。自らも毎日のようにジーンズを愛用するデニムフリークで、所有するジーンズの数は数百を超えるという。2016年8月、神宮前三丁目交差点にオープンしたマインデニムのディレクターに就任。新しい時代のデニムを提案する。
Q
「そもそもマインデニムを始めようとしたきっかけは何ですか?」
A
「あくまでもシルエット重視で、履き心地のいいものを作りたかったんです」
——野口さんといえば、ジーンズというイメージですよね。
「小さい頃から、デニムばかり履いて来ました。今でも自分が着るものはジーンズにTシャツばかりですね。ジーンズは400本くらい持っています。ジーンズなら、ありとあらゆるものを試してきたと言えますね。その経験を生かして、マインデニムというブランドを立ち上げたのです」
Q
「野口さんは、最先端のスタイリングをされる方というイメージがありますが、普通の人が穿けるデニムもありますか?」
A
「もちろんあります。マインデニムは何を穿いたらいいのかわからない人にこそ試してもらいたいのです」
——モデルのような体型ではないと、似合わないのではないでしょうか?
「自分の周りには、スポーツ選手やダンサーなど、体型が他とはちょっと違う人が多いのです。マインデニムはそういう人にも穿いてもらえるものを目指しました。あくまでもシルエット重視、そして穿き心地のいいものを作りたかったのです」