ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

「べっ甲メガネの魅力とは?」


Q

「べっ甲メガネは、どうやって作るのですか?」


A

「べっ甲は、とても不思議な材料です」

べっ甲素材からパーツを切り出しているところ。高級素材だけに、すべての工程に高い技術が求められる。
重ね合わせたべっ甲は、熱を加えつつ圧着させると、完全にくっつく。圧着の温度と時間は、職人の経験とカンが頼りだ。

——実際の製作過程を見せて頂けますか?

「薄い甲羅をくり抜き、張り合わせて、形を作っていきます。べっ甲はとても不思議な材料で、熱をかけて圧着させると、素材自体にニカワ成分が入っており、別々のものが完全にくっつくのです。最初にこのことに気付いた人はすごいと思いますね。この方法は、江戸時代から変わらないもので、使っている道具も、昔ながらのものが多いのです」

原材料となるタイマイの甲羅。0.6Kg単位で取引されているという。入手は年々難しくなるばかりだ。
メガネフレームのカタチに切り出したところ。一枚では薄過ぎるため、何枚かを同じカタチに切り出して、重ね合わせる。
仕上げも手作業で。やすりとグラインダーで表面を磨き、美しい光沢を得る。

——ハイテクな機械もありますね。

「複雑なカッティングには、コンピュータと連動したカッターを使っています。昔ながらの方法と、最新のテクノロジーの両方を使い分けることが大切ですね」

パーツなどを取り付ける細かい部分は、コンピュータ制御のカッターで削って行く。

松尾健太郎

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