Q
「シャツのトレンドは、どうなっていますか?」
A
「襟型のバリエーションが増えています」
——シャツはどんなものを買えばいいですか?
「シャツのトレンドも、“クラシック回帰”で、大きく変わってきています。今までは襟の開きの大きな、いわゆるカッタウェイ・カラーを着ていればいい、という風潮があったのですが、ここ最近は、さまざまな時代の、さまざまな襟型が復活しています」
——どんなものがあるのでしょうか?
「カラーをボタンで留めるタブカラー、襟先が丸くなっているラウンドカラー、襟の開きの小さなレギュラーカラーなどです。ボタンダウン・シャツのボタンを外して着るという、かつてのジャンニ・アニエッリやルカ・ディ・モンテゼーモロ(どちらもイタリアの有名経済人、ファッショニスタ)がやっていた着こなしも、再び注目されています。すべて襟の開きが小さいところが特徴でしょうか」
Q
「ではネクタイは、どんなタイプをチョイスすればいいですか?」
A
「一番売れているのは、レジメンタルです」
——ネクタイのトレンドが知りたいです。
「久々にレジメンタル・タイが戻って来ましたね。しかも今風にアレンジされたモノではなく、昔からのレジメンタルらしい配色のほうが人気です。これはサプライヤーからではなく、ピッティに集まるような、業界人からブームが広がったような気がします。彼らがしているのを見て、あわててメーカーが後追いをした感じでしょうか」
——レジメンタルというと、何となく制服のような気がします
「昔を知っている年配の方ほど、そういったことを気にされます(笑)。若い世代の人々は、何とも思っていないようですよ。彼らにとっては、レジメンタルはかえって新鮮に映るのでしょう。今ではビームスにおけるネクタイの稼ぎ頭といえるほど売れています」
——ノットはどうすればいいですか?
「シングルノットで、小さく、きゅっと結んで下さい。シャツの襟の開きが狭くなった分、その方がバランスがいいのです。最近では、真ん中が細くなったボトルシェイプのタイプも出て来ています」
Q
「ポケットチーフはどうですか?」
A
「シルク製をパフで入れるのが新鮮です」
——細かいところですが、ポケットチーフはどうですか?
「実はここも大きく変わっています。今までは白いリネンのチーフをTVフォールドやスリーピークスといった折り方で、すっきりと差すのが主流だったのですが、いま注目されているのはシルクプリントのタイプなのです。柄はペイズリー、ドット、幾何学模様などです。これも英国トレンドの影響といえます」
——差し方はどうすればいいですか?
「英国人は、シルクのチーフをパフドスタイルで入れるんです。パフとはチーフを丸めてふわりと差すスタイルです。ちょっと前までは、古くさいといわれていたやり方ですが、いままた新鮮ですね」