Q
「ジャケットなら何を選ぶべきでしょう?」
A
「エクリュカラーとシアサッカーをおすすめします」
——ジャケットでおすすめのものはありますか? 軽く羽織れるような・・
「色のトレンドとして出て来ているのはエクリュ(生成り)カラーです。ベージュよりさらに薄いトーンですね。素材は麻や綿麻が主流です」
——コーディネイトはどうすればいいですか?
「同系色でまとめるとすっきりします。白い麻のシャツとニットタイを合わせたり、ハイゲージのレトロなポロシャツなども似合うでしょう」
——他におすすめはありますか?
「シアサッカーのジャケットもいいですね。シアサッカーは夏の定番素材ですが、ここしばらくはあまり注目されていなかった。ところが昨年のミラノ ウニカ(世界中のプロが集まるテキスタイル展示会。ここで生地のトレンドが決まると言われている)で、シアサッカーが大きく打ち出されていたのです。いろいろなサプライヤーも、シアサッカーを出して来ています」
——こちらのコーディネイトについても教えて下さい。
「合わせるのは、やはりニットタイがおすすめです。ボトムスはコットンパンツに加えて、デニムの5ポケットなども面白いでしょう。ニットタイでタイドアップして、デニムを履いて、足元は革靴。そんなコーディネイトが“気分”です」
——素材はコットン100%ではなく、ナイロンやポリウレタンなどが入っているのですね。
「化繊が入っているのは、生地の物性をしっかりとさせるためです。化繊が入っているからといって、安物というのは大昔の常識ですよ」
Q
「パンツが大きく変わったと聞きましたが」
A
「細身のノープリーツよりも、プリーツ入りが再燃しています」
——パンツのシルエットがずいぶん変わったようですね。
「ここ10数年、ずっとノープリーツの時代が続いて来ましたよね。そしてカジュアル化の流れの中で、どんどん細身になっていました。もうこれ以上は細くならないところまで、行き着いてしまった。しかしそのアンチテーゼとして、ここ数年、プリーツ入りのパンツが戻って来ています」
——具体的には、どういうパンツですか?
「シルエットは腰回りがゆったりしていて、裾先にかけてテーパードしています。ワンプリーツかツープリーツで、ベルトレスなものもあります。また内側にサスペンダーボタンがついていて、サスペンダーで吊るすことが出来るタイプも多いですね。俳優マイケル・ダグラスが1987年の映画『ウォール街』でしていたようなスタイルです」
——いきなりプリーツ入りは、抵抗のある方も多いのでは?
「これもお年を召した方ほど気にされるのです。『タック入りかぁ』などと仰って(笑)。若い人は柔軟ですよ。かえって20〜30代の方が、プリーツ入りを好まれますね。ビームスでは、もう7:3で、プリーツ入りの方が売れています。裾はクッションが入るか入らないくらい、やや短めに仕上げます」