Q
「シューズはどんなものがトレンドですか?」
A
「とにかくタッセルをおすすめします」
——お洒落の要は靴だと言われますよね?
「足元もやはり英国の流れを受けて、オーソドックスな英国靴タイプが主流です。イタリアでは、特にチャーチ、トリッカーズ、クロケット&ジョーンズあたりが大人気です。その中で、特に注目したいのはタッセルなんです」
——なんだか昔々に履いていたことがあるような・・
「かつてアイビーが流行った時代に、タッセルのブームがありました。もともと英国では、タッセルはスーツには合わせないのです。しかし、フランス、イタリアそしてアメリカでは、スリッポンのなかでは最もドレッシーなもの、という位置づけで、スーツにも合わせていたんですね。現代ではスーツからカジュアルまで、何にでも合わせられる万能靴となりました」
——素材はどんなものがいいですか?
「スエードよりも表革のほうが今の気分ですね。スエードはあくまでも“ハズシ”で、表革のカーフこそ正統ですから。今回紹介しているクロケット&ジョーンズのタッセルは、アメリカのオールデンのものにちょっと似ていますよね。実はクロケットとオールデンの社長は旧知の仲だそうです。だから、ちょくちょく情報交換をしているらしいですよ」
Q
「今風のスタイルに似合う鞄は?」
A
「これまた往年の英国を思わせる、カッチリしたものを」
——英国調が注目されているのはわかりましたが、こういったスタイルにはどういう鞄が似合うのでしょうか?
「やはりクラシックなテイストの鞄がいいですね。従来のような格好をしていても、こういったモノをひとつ持つだけで、コーディネイト全体が今風に見えるものです。今シーズンは、イタリアのブランドからも、クラシックなタイプが出て来ています。フェリージのものは70年代の復刻だそうです。またブライドルレザーで出来たグレンロイヤルのものはビームスの別注品です。クラッチってずっと持っていると疲れるじゃないですか。そこで持ち手が付いているところがミソなのです」
Q
「小物類で注目したいのは?」
A
「カラーバーとストールは、ぜひおすすめしたいアクセント小物です」
——お手ごろ価格で使える小物はないですか?
「カラーバーはいかがでしょうか? 襟元を小さくまとめることができます。アメリカン・ブリティッシュが流行った時代に好まれた、クラシックなアイテムです。レギュラーカラーやラウンドカラーのシャツに使えます。このカラーバーは日本製なのですが、これを作れる職人さんは、もはや日本で一人しかいないのだとか。早めに入手しておいた方がいいかもしれません」
——巻き物などは。どうでしょうか?
「従来の首元でぐるぐる巻く派手なスカーフより、今年はクラシックなプリントスカーフに注目です。昔、古着屋でよく見たような、クラシックなタイプですね」
——巻き方はどうすればいいのですか?
「巻かないで、シンプルに垂らすほうがいいと思います。スーツやコートに、さらりと合わせる感じです」