ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

シャロンに聞いた、南青山スタイルとは!?


Q

「南青山スタイルとは、どんなものですか?」


A

「デザインやコーディネイトはごくシンプル。しかし素材と縫製にはとことんこだわります」

エンリッチ matsuo1711-6
シャロン独特のVゾーン・バランス。ジャケットが持つ大きめのラペル、高めのゴージラインに合わせて、シャツのカラーは水平に近いカッタウェイ・タイプ。タイのノットはあくまでも小さくきゅっと結ぶ。

——南青山ならではのスタイルとは、どんなものでしょうか?

「南青山・・というかシャロンならではのスタイルはありますね。デザインとコーディネイトはごくシンプル、その代わり素材と縫製にはとことんこだわります。具体的には、スーツは無地が基本。そしてポケットチーフはしない。これはジャケットの素材や縫製を、より浮き立たせるためです。それからタイはソリッドが多い。私自身は、ネイビーかブラウンの無地タイしか締めません。シャツも白が基本です。いいモノを追求していくと、どんどん余計なものを削ぎ落としたくなっていきます」

——スーツでおすすめは?

「シャロンでは4つのブランドを展開しています。オーセンティックでベーシックなナポリの“サルトリア・ソリート”、モード感が強い“シャマット”、土着的なナポリのサルト“アルフォンソ・シリカ”、そして日本の直井茂明さんがクリエイトする“Sartoria Naoi”です」

エンリッチ matsuo1711-7
世界初となったナポリ、ソリートのプレタラインより。年間で50着しか作れないという。おすすめはやはりベーシックな無地。カシミア100%のネイビースーツ69万円(ソリート/シャロンTel.03-6418-5131)

——直井茂明さんの作るスーツの魅力はどんなところですか?

「直井の服には、日本のいいところが詰まっています。細かくて、きちんとしていて、着心地もいい。イタリア製は雑なものも多いのですが、日本人は決して手を抜きませんから。基本的にシャロンに常駐しているので、いろいろと小回りが利きますし、日本語でコミュニケーションできるのも大きなアドバンテージだと思います。ただし、現在あまりにもご注文を頂いていて、納期に1年ほどかかってしまうのです・・本当に申し訳ありません」

エンリッチ matsuo1711-8
シャロン常駐サルトの直井茂明さん。ペコラ銀座の佐藤英明さん、ディトーズの水落卓宏さんなどの巨匠に師事した後、シャロンのオープン当時から常駐している。服作りにおいては「いかに柔らかく見えるか」を追求している。カシミア×ウールのジャケット35万円、パンツ10万円(以上Sartoria Naoi)、タイ1万7000円(E.G.カペッリ)、ス・ミズーラのシャツ6万円(モンテサーロ/シャロンTel.03-6418-5131)

——おすすめのジャケットを教えて下さい。

「ソリートのサファリ・ジャケットはいかがでしょうか? お客様から『ちょっと変化球も欲しいね』というリクエストを頂いて作ってみました。サファリとは言っても、ごくクラシックなものです」

エンリッチ matsuo1711-9
1990年代あたりのヴィンテージの生地を使ったサファリ・ジャケット。価格未定(サルトリア・ソリート/シャロンTel.03-6418-5131)

——タイでおすすめは?

「タイはジュスト・ビスポークのものが最高です。フィレンツェのメーカーで、ドディチ・ピエゲ(12折り)のタイを得意としています。しっかりとしているにもかかわらず、ノットを小さくまとめられるところがいいのです」

エンリッチ matsuo1711-10
ソリッドタイのバリエーションが多い。左2本:シルク製3万2000円、右2本:カシミア製6万2000円(ジュスト・ビスポーク/シャロンTel.03-6418-5131)

——シャツはいかがですか?

「色は白とサックスブルー、ブランドはナポリのモンテサーロやジ・イングレーゼなどがおすすめです。シャロンのシャツはほとんどカッタウェイ・カラーと呼ばれる水平に近い襟となっています。ウチで扱うジャケットがラペルが大きめでゴージラインが高いため、こういった形が似合うのです」

エンリッチ matsuo1711-11
シクテスの240双生地を使ったシャツ6万8000円(モンテサーロ)、デビッド・ジョンアンダーソンの超極細300双生地のシャツ9万3000円(ジ・イングレーゼ/シャロンTel.03-6418-5131)

——冬のコートでおすすめは何でしょう?

「本格的なポロコートは、やはり一着は持っていたいアイテムです。それから最近ではショート丈を好むお客様が多いですね。これは日常的にクルマに乗られる方が多く、運転に向いているからだと思われます」

エンリッチ matsuo1711-12
クラシックなポロコートはキャメルカラーがおすすめ。フレームドパッチポケットと呼ばれる、フェイクのパッチポケットがついたタイプ(本当のポケットは、内側に取り付けられており、モノを入れてもポケットが膨らまない)。カシミア100%のポロコート115万円(ソリート/シャロンTel.03-6418-5131)
エンリッチ matsuo1711-13
ピーコート・タイプのショート丈コート。ドライビングに便利な、短い丈のものが人気。カシミア100%で、襟部分にはビーバーの毛皮付き。毛皮がないバージョンもあり。価格未定(ソリート/シャロンTel.03-6418-5131)

——カジュアル・アイテムでのおすすめは?

「シャロンが扱うカジュアル・アイテムは、そのほとんどがカシミア、もしくはカシミア×シルクなどの素材です。ウール製は少ないですね。デザインはごくベーシックなもので“10年後も着られるもの”ということを念頭にセレクトしています。とにかく高品質を追求しているのです。バイイングする時は、どこへ行っても『もっといいモノはないのか?』というセリフを呪文のように繰り返しています(笑)」

エンリッチ matsuo1711-14
カシミア100%のジップアップ・ニット。温かいのでアウター代わりに1枚でバサっと着るのがおすすめ。ニット22万8000円(フェデーリ/シャロンTel.03-6418-5131)
エンリッチ matsuo1711-14
カジュアルでもスーツでも、何にでも羽織れる万能コート。表地はロロ・ピアーナ製カシミア100%。内部には最高品質のダウンを充填。フードにはビーバーのリアルファーが施されている。カラーバリエーションは、ネイビーとベージュ。コート56万円(エンリコ・マンデリ/シャロンTel.03-6418-5131)

——シューズでおすすめは?

「靴職人・久内淳史さんが作る“イル・クアドリフォーリオ”はいいですよ。フィレンツェのウゴリーニの愛弟子で、日本人独特の精密さとイタリアっぽい色気を併せ持っています。彼の作るものは、とにかくキレイなんです」

エンリッチ matsuo1711-15
久内淳史さんが手掛けるビスポーク・シューズのサンプル。リザードのストラップのついたローファー38万円、ロシアンカーフ風レザーを使ったローファー30万円、オックスフォード30万円(以上イル・クアドリフォーリオ/シャロンTel.03-6418-5131)

——他に、小物などで「これは」というものはありますか?

「クロコダイルで出来た小物を好まれる方が多いです。ピカピカのシャイニータイプではなく、マットなクロコがおすすめですね」

エンリッチ matsuo1711-16
ミラノの高名な靴職人が作るウォレット類。財布24万円、カードケース7万円(以上AMP)、ベルト7万3000円(メゾン・ド・オクトパシー/シャロンTel.03-6418-5131)

——最高級のマフラーといえば、アレがありますよね、ええと・・・

「ビキューナですね。ペルー原産で、獣毛としては世界最高級と言っていいでしょう。ポピュラーなのは、マフラーやストールですが、ス・ミズーラでコートやジャケットをお仕立てになるお客様もいます。もちろん数百万円コースですが(笑)」

エンリッチ matsuo1711-17
ビキューナ素材の大判ストール。素晴らしい風合いは、他では得られないもの。ストール41万5000円(アリアンナ/シャロンTel.03-6418-5131)

松尾健太郎

Return Top