松尾健太郎Q
「今季、特におすすめのアイテムはありますか？」
A
「英国といえば、ブライドル・レザーの鞄と細巻きの傘です」
マルチに使える一着。コート14万円（9月上旬より随時展開予定）（ハケット ロンドン 銀座 TEL:03-6264-5362）
——アウターはどんなものがよろしいですか？
「キャメル色のダブル・コートはいかがでしょう？ このコートに使われている生地もフォックスブラザーズで、ハケットだけが扱う生地です。ハケットとフォックスの関係は深く、かつて経営危機にあったフォックスを救ったダグラス社長は、ジェレミー・ハケットの紹介で社長に就任したのです。ですから、フォックスの生地の品揃えには自信があります。一見端正ですが、パッチポケットだったり、短めの丈だったりとスポ―ティなところもあり、どんなスタイルにも似合う一着です」
——英国紳士といえば、傘ですよね？
「これは英国の名門、フォックス・アンブレラ製の傘です。ハンドルについている犬は、ジェレミーの愛犬、狩猟犬のサセックス・スパニエルを象っています。細く細く巻くのが英国流。これにはコツがあって、ヒダのひとつひとつを引っ張りながら巻き付けるのです。こうすると、まるでステッキのような仕上がりとなります」
——これはまた、しっかりとした鞄ですね。
「これは英国の特産品、ブライドル・レザー（もともとは馬具用の丈夫なロウ引きの革）で出来ています。モデル名は“ウエストミンスター”といいますが、これはロンドン市議会（在ウエストミンスター地区）の議員に配られるものとまったく同じデザインなのです。今でも議員は、これと同じ鞄を持っています。 ロウ引き特有の粉がないですって？ アレを有り難がるのは、日本人だけですよ（笑） 本当は、粉を吹いていないのが英国的上品さなのです」
