Q
「検眼の際に気を付けるべきことはありますか?」
A
「ひとつだけ。検査前にお酒を飲まないことです」
——さて、メガネショップで検眼をする際、何か気を付けるべきことはありますか?
「基本的にはおまかせ頂ければ問題ないのですが、唯一、お酒が入っているときはダメですね。ピントが合わなくなるのです。それから同じ“近く”でも、人によってその定義が違う。細かい作業をする方とデスクワークをする方は違うし、ノートパソコンとデスクトップでも違います。ですから使う環境を具体的に教えて頂けると助かります」
——岡田さんは、ファッションのみならず、検眼の技術にも定評がありますね。何を隠そう、私の愛用しているメガネも岡田さんに作ってもらったものです。
「メガネは医療器具でもありますから。そのへんのことはみっちりやりました。普通検眼は15分程度で終わりますが、難しい人だと30分くらいかかります。本当に少数ですが、1000人に1人いるかどうかくらいですが、大きな問題を抱えている方がいます。以前お作りしたベルギー人のビジネスマンの方は、ウチに来て、初めてはっきりと書類が見えるようになったと感激しておられました。現在はギリシアに赴任されていますが、メガネ作りは今でもグローブスペックスにいらっしゃるのです」
Q
「どういう症状が出たら、老眼鏡をかけるべきですか?」
A
「年齢によって、ほぼ決まるものです」
——さて最後に、老眼鏡についてお聞きしたいと思います。どういった症状が出たら、老眼鏡をかけるべきなのでしょうか?
「細かい字を読む時に本を遠ざけたり、霞んだ感じがしたら、それは老眼の始まり、ということはよく知られていますよね。しかし『もうちょっとは大丈夫だろう』と老眼鏡に手を出さない方も多いのです。しかし、これは何もいいことはないですね。実は老眼になるのは、年齢によって、ほぼ決まっているのです。40代前半から始まり、42歳で80%、43歳で90%の人が老眼になります」
——近視の人は、老眼になりにくいと聞きますが・・
「それは間違っています。近視用のメガネを外すとなんとなく見えるので、そう思い込んでしまうだけです。ただし、外して対応出来る場合は何もしない方がいいこともあります。いずれにしても、相応の年齢になったら、検査をしてもらったほうがいいでしょう」
Q
「初めての老眼鏡は、どんなものがおすすめですか?」
A
「目的によって、選ぶメガネが変わります」

——さて、初めての老眼鏡はどんなものがいいのでしょうか?
「どういう用途に使いたいかで、選ぶメガネが変わります。近くだけ見えればいいのか、会議で資料と相手の顔を交互に見るのか、運転するときに使いたいのか、シチュエーションによって違います。オールマイティなのは、遠近両用タイプです。遠近両用といえば、昔はレンズが大きなものが多かったのですが、いまではずいぶんと小さいものでも対応出来るようになりました。また初めて遠近両用をかける際には、四角いと歪みを感じることが多いので、丸みのある方がいいですね」

——老眼鏡には、どうにも抵抗がありますが・・カッコよくかけるには、どうしたらいいでしょう?
「あえて老眼鏡っぽいものを堂々とかけた方がカッコいいものですよ。ハーフアイといわれるカタチは老眼鏡のためにあるタイプで、やや下にズラしてかけます。遠くを見るときは、メガネの上を通して見ることが出来るのです。こういったモデルは、大人にこそ似合うと思います」
——なるほど、こういったメガネ選びでは、個性を追求することが最も大切なことがわかりました。今度また検眼に伺います。本日はありがとうございました!

住所:東京都渋谷区猿楽町14-12
営業時間:11:00〜20:00
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撮影=岡田ナツ子