アイデア6
「黒スエードの靴を履きましょう」
——全身のモノトーン・コーディネイトに合わせて、靴もブラックというわけですね?
「そうです。特におすすめしたいのは、ブラックのスエードです。今シーズンは、いろいろなブランドから出ています」
——ソックスには、ずいぶん派手な色を持ってきていますね。
「先程もちらりと申し上げたのですが、昨今のゆったりしたパンツのシルエットを考えると、夏でもソックスを履いたほうがいい。そこで靴下に差し色を持ってくる着こなしがおすすめです。全身ブラックで、ソックスだけパープルといったコーディネイトもありですね。ただし、従来の細身で丈の短いパンツに、カラーソックスを合わせるとバランスが悪くなってしまうので、気をつけて下さい。この着こなしは、ある程度太いパンツではないと似合わないのです。そうですねぇ・・裾幅は最低でも19センチくらいは欲しいですね」
アイデア7
「一足で“フレンチアイビー”になる靴を履きましょう」
——これは、パラブーツですか? しかし、こんなモデルは見たことがないような・・
「これはビームスFがパラブーツに別注をかけたモデルです。ベースとなったのは“バース”というデッキシューズですが、これはキルトタッセル仕様となっています。パラブーツにはないモデルです」
——どうしてこの別注をしようと思われたのですか?
「とにかく、フランスの靴屋にアメリカっぽいものを作らせたかったのです。キルトタッセルはアメリカの象徴のような靴ですから。流行の“フレンチアイビー”を、そのまま形にしたかったのですね(笑) このテイストを好まれる方は多く、“バース”は大ベストセラーとなっています。とにかく人気がありますね。価格がお求めやすいというのも大きいと思います」
——コーディネイトはどうすればいいですか?
「太めのチノパンなどと合わせて、ネイビーブレザーを着崩したりするといいと思います。デッキシューズだとどうしてもマリンのイメージが強くなりますが、こちらはもう少しドレスよりでもOKです。逆に、ぐっとカジュアルな軍パンなどにも似合うと思います」
アイデア8
「ガウチョベルトでハズしましょう」
——これはあまり見たことがない模様です。
「『日本に入っていない、面白いものがあるよ』と知り合いに言われて紹介されたのがこの“ガウチョベルト”です。アルゼンチンの伝統的なカウボーイがしているベルトだそうです。今でもアルゼンチンで手作りされています」
——これは、どんなものに合わせればいいのでしょうか?
「もちろんカジュアルでもいいのですが、これをあえてスーツやジャケットに締めるのが面白いと思います。実は英国のチャールズ皇太子やヘンリー王子が、そんな着こなしをしているのです。またエリック・クラプトンが現オーナーであることでも知られる、ロンドンの老舗アウトドア洋品店“コーディングス”でも扱われています。いわば上流階級のハズしアイテムといったものなのです」
——なるほど、“世界中から面白いものを見つけてきて売る”というセレクトショップの原点に帰ったような“掘り出し物”ですね。本日はいろいろなアイデアを出して頂きありがとうございました。どれも簡単に取り入れられそうなものばかりでしたね。私もこの春、チャレンジしてみたいと思います!
BEAMS F
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撮影=小澤達也