ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

今シーズン春夏、装いのアイデア


 
アイデア6
「黒スエードの靴を履きましょう」

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左:ブラックスエードのラウンドトゥ ¥77,000(トリッカーズ)、ボーダーのソックス ¥1500(ブリッラ ペル イル グスト)、右:スマートなプレーントゥ ¥135,000(フォスター&サン)、パープルのソックス ¥1800(インターナショナルギャラリービームス/以上ビームスF Tel.03-3470-3946)

——全身のモノトーン・コーディネイトに合わせて、靴もブラックというわけですね?

「そうです。特におすすめしたいのは、ブラックのスエードです。今シーズンは、いろいろなブランドから出ています」

——ソックスには、ずいぶん派手な色を持ってきていますね。

「先程もちらりと申し上げたのですが、昨今のゆったりしたパンツのシルエットを考えると、夏でもソックスを履いたほうがいい。そこで靴下に差し色を持ってくる着こなしがおすすめです。全身ブラックで、ソックスだけパープルといったコーディネイトもありですね。ただし、従来の細身で丈の短いパンツに、カラーソックスを合わせるとバランスが悪くなってしまうので、気をつけて下さい。この着こなしは、ある程度太いパンツではないと似合わないのです。そうですねぇ・・裾幅は最低でも19センチくらいは欲しいですね」


 
アイデア7
「一足で“フレンチアイビー”になる靴を履きましょう」

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フランスのパラブーツとビームスFのダブルネーム・シューズ ¥29,000(パラブーツ)、カーゴパンツ ¥32,000(オーベルジュ/以上ビームスF Tel.03-3470-3946)

——これは、パラブーツですか? しかし、こんなモデルは見たことがないような・・

「これはビームスFがパラブーツに別注をかけたモデルです。ベースとなったのは“バース”というデッキシューズですが、これはキルトタッセル仕様となっています。パラブーツにはないモデルです」

——どうしてこの別注をしようと思われたのですか?

「とにかく、フランスの靴屋にアメリカっぽいものを作らせたかったのです。キルトタッセルはアメリカの象徴のような靴ですから。流行の“フレンチアイビー”を、そのまま形にしたかったのですね(笑) このテイストを好まれる方は多く、“バース”は大ベストセラーとなっています。とにかく人気がありますね。価格がお求めやすいというのも大きいと思います」

——コーディネイトはどうすればいいですか?

「太めのチノパンなどと合わせて、ネイビーブレザーを着崩したりするといいと思います。デッキシューズだとどうしてもマリンのイメージが強くなりますが、こちらはもう少しドレスよりでもOKです。逆に、ぐっとカジュアルな軍パンなどにも似合うと思います」


 
アイデア8
「ガウチョベルトでハズしましょう」

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アルゼンチン製のガウチョベルト¥12,000(メゾン ガウチョ/ビームスF Tel.03-3470-3946)

——これはあまり見たことがない模様です。

「『日本に入っていない、面白いものがあるよ』と知り合いに言われて紹介されたのがこの“ガウチョベルト”です。アルゼンチンの伝統的なカウボーイがしているベルトだそうです。今でもアルゼンチンで手作りされています」

——これは、どんなものに合わせればいいのでしょうか?

「もちろんカジュアルでもいいのですが、これをあえてスーツやジャケットに締めるのが面白いと思います。実は英国のチャールズ皇太子やヘンリー王子が、そんな着こなしをしているのです。またエリック・クラプトンが現オーナーであることでも知られる、ロンドンの老舗アウトドア洋品店“コーディングス”でも扱われています。いわば上流階級のハズしアイテムといったものなのです」

——なるほど、“世界中から面白いものを見つけてきて売る”というセレクトショップの原点に帰ったような“掘り出し物”ですね。本日はいろいろなアイデアを出して頂きありがとうございました。どれも簡単に取り入れられそうなものばかりでしたね。私もこの春、チャレンジしてみたいと思います!


BEAMS F

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クラシック系セレクトショップの草分けにして名店。上質で着心地のいいテーラードと高品質なカジュアルを揃える。現代的にアップデートされた、スタンダードを特徴とする。

東京都渋谷区神宮前3-25-14 1F・2F
TEL:03-3470-3946
営業時間:11:00~20:00(不定休)
HP:https://www.beams.co.jp/


※掲載した価格は、すべて税別

撮影=小澤達也

松尾 健太郎 (まつお けんたろう)

THE RAKE 日本版編集長、クリエイティブ・ディレクター
株式会社世界文化社にて、月刊誌メンズ・イーエックス創刊に携わり、クラシコ・イタリア、本格靴などのブームを牽引。‘05 年同誌編集長に就任し、のべ 4 年間同職を務めた後、時計ビギン、M.E.特別編集シリーズ、メルセデス マガジン編集長、新潮社 ENGINEクリエイティブ・ディレクターなどを歴任。現在、インターナショナル・ラグジュアリー誌“THE RAKE”日本版編集長。

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