ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

ヴィンテージ・アクセサリーを取り入れる 今静かなブームを呼ぶシグネットリング


Q

「どういった種類のものがありますか?」


A

「数多くのアイテムがあります。昔の男は今よりずっとお洒落でしたから・・」

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繊細な細工が施されたチェーンやバングル類。

——ずいぶんといろいろなアイテムがありますね。中には何に使うのかわからないようなものも・・

「昔の男は、今よりもずっとずっとお洒落でした。ファッションにかける手間暇と情熱も桁違いでした。今でこそファッションといえばウイメンズですが、昔はメンズのほうがマーケットも大きかったのです。当時は外に出ていくのは、男性ばかりでしたから。そういった時代のアイテムを、いくつかご紹介しましょう」

●カラーバー

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1960年代〜のカラーバー。各¥5,000

——これはシャツの襟につける道具ですね?

「これはカラーバーです。シャツの前面、両襟の間に取り付ける装身具です。ハイカラーの襟腰を立たせ、ネクタイを立体的に見せるために使います。昔のものは見えないところにまで、細かい装飾がなされています。スワンクやアンソンなど、アメリカのメーカーが有名です。シャツの襟の大きさによってバーの長さも変えるといいので、お売りする際は、普段どんなシャツを着ているのかをお聞きします。先程申し上げたように、ポロシャツの襟や、襟以外の場所につけるのも面白いと思います」

●タイバー

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まるでネクタイに剣が刺さっているように見えるタイバー 各¥6,000
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左から:計算尺付き ¥5,000、ペン型 ¥12,000、温度計付き ¥12,000、方位磁石付き ¥5,000 写真が入るタイプ ¥12,000

——タイバーにも、こんなにいろいろな種類があるのですね。

「ここにあるのはほんの一部です。面白いのはスウォード・タイプで、まるでネクタイに剣が刺さっているように見えるのです。1930年代に流行ったもので、たくさんのバリエーションがあります。またペンタイプは、実際に書くこともできるし、温度計や方位磁石も小さいながら、みんな使えるんですよ」

●ポケットウォッチ・チェーン&フォブ

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上から:GF(ゴールドフィルド=金張り)のチェーン ¥38,000、太めのGF ¥33,000、ホワイトゴールド張り ¥38,000

——懐中時計用のチェーンですね。

「そうです。もともとはベストに懐中時計を取り付けるためのものでした。古いタイプには、2本に分かれているものもあります。これは片方に時計、もう片方にぜんまいを巻くための鍵を取り付けていたのです。時計と巻き鍵は、常にセットで持っていなければならなかったのです。フォブはチェーンに付けるアクセサリーで、まぁ日本の“根付”のようなものです」

——キーチェーンとして、使うのがおすすめなのですね。

「ウチが揃えているものには、片方にT型のバーがついています。これをベルトに通してストッパーとし、もう一方の端にキーリングを付けて、ポケットにしまうのがおすすめです。ウエストのところにちらりと見せれば、格好のアクセサリーになりますよ。またジャケットのラペルホールからTバーを垂らすのも粋です」

●カフリンクス

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スナップボタン式のカフリンクス。1920年代のもの。左から:レッドストーン ¥28,000、ラベンダー色のMOP(マザーオブパール)製 ¥23,000、プッシュボタン付きシルバー ¥33,000、プッシュボタン付きゴールド ¥28,000
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T字型に開くタイプ。左から:MOP ¥23,000、ジェット ¥20,000、GF ¥23,000

——カフリンクス、憧れますが、つけるのが面倒で・・

「それならスナップボタン式のものはどうですか? それぞれのカフに付けておいて、真ん中でぱちんと留めるのです。これなら一人でも簡単に留められますよ。外す時は、ただ引っ張るだけなのですが、プッシュボタンがついていて、押すと外れるようになっているタイプもあります。また片方がT字型に開いて留めるタイプもあります。これも簡単に着けられます。よく見るとT字の一片がもう1片より少し長くなっています。2枚合わさったときに、指がかけやすく、開きやすいように作られているのです。昔のものは、本当に手が込んでいます」

●パフューム・アトマイザー

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パフューム・アトマイザー。左から:アルミのくり抜き ¥25,000、ロンソン製ブラウン ¥28,000

——これは、ライターですか?

「一見ライターのようですが、違います。これはパフューム・アトマイザー
といって、お気に入りの香水を入れておくためのツールです。スプレーがついていて、蓋を開けてひと押しすると、噴霧される仕掛けです。こんなものは今では、どこへ行っても見られなくなりました。昔の男は、香りに対しても、とても気を遣っていたのですね」

松尾健太郎

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