インフィニティというカーブランドがある。我々日本人も忘れがちだが、正真正銘の日産の兄弟ブランドだ。時として海外モーターショーに足を運ぶとその存在を思い出す。そしていつか日本に上陸するのであろうか……と、考える。
インフィニティは2012年以降ヘッドクオーターを香港へ移している。新興マーケットでのシェア拡大を鑑みたのだろうか、グローバル化が図られた。その意味ではもはや我々のものであってそうでないかもしれない。開発、生産の拠点は日本だが、マーケットに則したクルマつくりという面で、もはやその枠を大きくはみ出したと言える。
さて、そんなインフィニティブランドのクルマに触れてきた。9月のフランクフルトモーターショーで発表されたばかりのQ30である。場所はポルトガルのリスボン。ヨーロッパメディアを中心にした国際試乗会に参加した。
言っておくが、私の知る限りインフィニティ単独の国際試乗会に日本のメディアを呼んだのは前例がない。となると、これは日本導入への大きな一歩と考えられなくもなく。というのも、2015年1月にはデトロイトモーターショーへ呼ばれた経験がある。そこで発表されたのはQ60。発表の場、そして試乗会と、リアルさは増しているようだ。
Q30はご承知の通り、ダイムラーとの技術的なアライアンスの上でつくられる。スカイラインにダイムラー製2リッター直4ターボエンジンが搭載されているのはご承知の通り。今回はさらにエスカレートしてシャシーフレームとパワートレーンを譲り受ける。
言ってしまえば、ベースモデルはAクラス。それにインフィニティらしいデザインと走りのセッティングをしたのがこのクルマの正体だ。なので、走りの結論を言ってしまえば、特に文句の付けどころはない。ボディ剛性は高くキビキビとした頼もしい走りを提供してくれる。