ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

コンクールデレガンス・ヴィラ・デステ

個人的に興味を持ったのは、実際にライフルを積んだシューティングブレークの1959年型ロールスロイス・シルバークラウドやV8エンジンを2基搭載する1929年型マセラティV4スポーツ、ピニンファリーナ作の1960年型アルファロメオ6C3000CMスーパーフロー4。どれもこれもここへ来ないと一生拝めないものばかりだ。

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ロールスロイス・シルバークラウド 1
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アルファロメオ 6C 3000CM スーパーフロー

そんな中ベスト・オブ・ショーに輝いたのは1956年型マセラティ450S。当時9台だけ生産された2シーターレーシングカーである。

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ベスト・オブ・ショーに輝いたマセラティ450S

ところで、ここではクラシックカーとともに現行モデルをベースにしたスペシャルエディションも発表される。今年は新型ミニのスタディモデル“ミニ・ビジョン”をベースにミラノの老舗カロッツェリア、ツーリング・スーパーレッジェーラが手がけた。その名は“ミニ・スーパーレッジェーラ・ビジョン”。美しい2シーターロードスターの出来上がりだ。きっとこいつも数十年後クラシックカーとしてエントリーされることだろう。いまよりもさらに高い価値を持って。

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ミニ・スーパーレッジェーラ・ビジョン
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ミニ・スーパーレッジェーラ・ビジョン 後部

といったコンクールデレガンス・ヴィラ・デステ。じつはこのイベントを支えているのはBMWというのも興味深い。クラシックカーの世界とは縁がないような彼らがしっかりサポートしている。というか、BMWがカーカルチャーを重んじているのがわかった。“iシリーズ”に代表される先進技術に目がいきがちだが、BMWのそのスタンスは素晴らしく、多くのクルマ好きに広く知っていただきたいと思えた。

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イベントを支えるのはBMW。カーカルチャーを重んじる姿勢が素晴らしい
九島辰也

九島 辰也 (くしまたつや)

モータージャーナリスト兼コラムニスト/ 日本カーオブザイヤー選考委員。「Car EX(世界文化社)」「アメリカンSUV/ヨーロピアンSUV&WAGON(エイ出版社)」編集長「LEON(主婦と生活社)」副編集長を経て、現在はモータージャーナリスト活動を中心に様々なジャンルで活躍。2015年からアリタリア航空機内誌日本語版編集長、2016年から「MADURO(RR)」総編集長もつとめる。

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九島辰也

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