ENRICH(エンリッチ)

The Style Concierge

ベントレー
ミュルザンヌスピード

エンジンは先に記した6.75リッターV8ツインターボが採用される。最高出力は537ps、最大トルクは1100Nmというから恐れ入る。ついでに記すと、0−100km/h加速は4.9秒、最高速度は305km/hに達する。コンチネンタルGT系と違うのは後輪駆動というところだろうか。この辺も伝統的なモデルとしてのこだわりを感じる。

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そんなスペックを右足のアクセルでコントロールするのだから、楽しくないわけがない。出だしからドーンと大きなボディが軽々と加速し、コーナーをひらりひらりと駆け抜ける。ハンドリングはしっかりしていて、このクラスでイメージするフワフワしたところはない。特に今回はエアサスをコンフォートにしてもそう思えた。特にスピードだからだと思われるが、コンフォートでもかなりしっかりしたリジッドな走りを見せる。

そしてそれをスポーツモードにすればさらにイメージは変わる。5mを余裕で超えるボディを動かしている気は薄れ、まるでレーシーなGTカーを運転している気分になる。いやはや恐ろしいほど過激だ。とはいえ、乗り心地が硬過ぎたり、段差でドン!とお尻を突き上げられたりすることはない。そこはベントレーの真骨頂。上品な仕上がりとなる。

というのが、今回の試乗のシュートインプレ。

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まぁ、正直別世界のクルマだけに感心するところだらけ。インテリアだけで一冊本が書けそうなくらいのウンチクがある。なので、興味を持った方はじっくり時間を持って接するといい。きっとどこのメディアにも書いていないさらにディープな世界が待っているに違いない……。
 

九島辰也

九島 辰也 (くしまたつや)

モータージャーナリスト兼コラムニスト/ 日本カーオブザイヤー選考委員。「Car EX(世界文化社)」「アメリカンSUV/ヨーロピアンSUV&WAGON(エイ出版社)」編集長「LEON(主婦と生活社)」副編集長を経て、現在はモータージャーナリスト活動を中心に様々なジャンルで活躍。2015年からアリタリア航空機内誌日本語版編集長、2016年から「MADURO(RR)」総編集長もつとめる。

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九島辰也

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