1997年デビューの初代クロスカントリーから20年
通常のエステートでもSUVでもない
もうひとつの“90”に注目!
ここ数年、V40シリーズでそのイメージを新しくしたボルボ。世界的なヒットに裏打ちされるように「ボルボのコンパクトカーはいい!」、という話を耳にする機会が増えた。運動性能の高さは同クラスのドイツ車を凌ぐキャパシティを備えている。
ではラージサイズモデルはどうなのか?
その答えとなるモデルが次々に姿を現した。90シリーズの登場である。セダンボディのS90、お馴染みエステートのV90、そしてそれの背を少し高くしたV90クロスカントリーといった面々だ。まさに40シリーズの逆に位置するトップレンジモデルとなる。
そんな90シリーズのひとつV90クロスカントリーのステアリングを握った。場所はスウェーデンの首都ストックホルムから一時間北へ飛んだオーレ•エステルスンド空港とその周辺の街。季節は1月の終わり。一面雪景色なのは言わずもがなだ。
試乗は雪の積もる公道とぶ厚い氷で覆われた広大な湖で行われた。公道ではこの時期にしては珍しく雪がとけアスファルトの路面が見えているところも少なくなかったが、ちょっと山間の道に入れば白一色。雪をかぶった木々を含め幻想的な世界が広がる。東山魁夷の作品のようだ。
ちなみに、試乗車の足元にはスパイクタイヤが備わっていた。
あちら的に言うと、スタッドタイヤ。フィンランドのノキア製となる。携帯のノキアとはそもそも同じ会社だった……らしい。