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ベントレー コンチネンタルGT コンバーチブル

 
エンジンはクーペと同じ、お馴染みの6リッターW12 TSIが搭載される。ツインターボで過給されるパワーは635ps、最大トルクは900Nmを発生させる。低回転からターボが回るこのユニットは出だしが早いだけではなく、中間加速、トップスピードと、どの領域では余裕の走りを見せる。

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……なんて試乗時のフィーリングを日本に戻って思い出していたら、3月18日にベントレーはコンチネンタルGTと同コンバーチブルにV8モデルを追加すると発表した。こちらは4リッターV8ツインターボで、最高出力550ps、最大トルク770Nm。これはこれでパワフルだし、12気筒まではいらないという方に好都合といえそうだ。若干ではあるが税金や価格が下がるので買いやすくもなる。(日本への導入時期・価格等は現在のところ未定)

それはともかく、12気筒コンバーチブルを走らせた印象は、まんまクーペと同じ。屋根のないことでのネガティブポイントとして挙げられる「ボディ剛性の低下」や「補強分の重量増」といったものは感じない。

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圧倒的なパワーがそれらを払拭する走りを体感させてくれる。当然、直線だけでなく、スポーツカーメーカーとしてのベントレーが自慢するキレの良いハンドリングも生きている。ワインディングではアクセルワークに対してヒラリヒラリと向きを変えて気持ちよく駆けていくのだからさすがだ。駆動方式は4WDでもリアに厚くトラクションをかけるので、FRスポーツカーらしい走りが味わえる。
 
でもって乗り心地だってかなりいい。ドライブモードをスポーツにしても絶対的な快適性を犠牲にするような設定にはならない。しっかり足は固められるが、ベントレーらしさは消えないのだ。まぁ、それがアイデンティティといえばそうなのかもしれないが。

といったのが今回のスペインでのロードインプレッション。

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なんたってベントレーですからね、ここがもう少し云々なんてところは見当たらない。今回はインターフェイスも進化しているからその辺もご心配なし。ただそもそも目立つクルマだから、屋根を開けて注目を集めないわけがない。気になるのはそこ。ファッションまでコーディネイトしてのコンバーチブルである。

九島辰也

九島 辰也 (くしまたつや)

モータージャーナリスト兼コラムニスト/ 日本カーオブザイヤー選考委員。「Car EX(世界文化社)」「アメリカンSUV/ヨーロピアンSUV&WAGON(エイ出版社)」編集長「LEON(主婦と生活社)」副編集長を経て、現在はモータージャーナリスト活動を中心に様々なジャンルで活躍。2015年からアリタリア航空機内誌日本語版編集長、2016年から「MADURO(RR)」総編集長もつとめる。

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