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The Style Concierge

LEXUS/レクサス 

レクサス初のコンパクトSUVはとてもキビキビして走りやすいものだった。レクサス初となるターボエンジンもひとつのニュースだが、クルマの基本骨格がものすごくいい。いってしまえば、かなりスポーティなのだ。普段RX450hという同じレクサスのSUVを足にしているが、それとは性格が大きく異なる。RXはアメリカンテイストが強いが、NXはヨーロピアンな仕上がりと言えそうだ。

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NXはスポーティーな印象

そんな味付けはNXだけではない、先にモデルチェンジしたISシリーズもそうだし、フラッグシップのLSシリーズもそうだ。もっといえば、CTも今年のマイナーチェンジでその方向へ進んでいる。
 
その背景には、レクサス初のスーパーカーLF-Aがある。3750万円のあのモンスターマシン以降レクサスのクルマつくりは変わった。具体的には、ヨーロッパでの評価を上げるためスポーティな味付けが強まった。BMWやポルシェがテストコースとして使うドイツのニュルブルクリンクサーキットを開発の拠点に加えたのも、そんな要因のひとつだろう。
 
つまりそこだ。レクサスのブランドイメージの世界統一は、それが根幹にある。当初、アメリカ国内だけで成立させていたブランドをグローバル化するにあたって、改革を起こしてきたのだ。そしてそれは、日本導入、つづいてクルマの進化、そして「AMAZING IN MOTION」と続いたのである。

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レクサス初のスーパーカーLF-A以降彼らの車つくりが変わった。

仕事柄いろいろな国のクルマに乗り、開発者、グローバルなマーケッターにインタビューする。スペシャリティはベントレーやアストンマーティン、フェラーリといったところだ。
 
その経験からすると、レクサスは正直まだまだラグジュアリーブランドとして足りないものもある。というか、極論すればそのステージに立っていないかもしれない。20世紀初頭から歩んできたブランドとは時間の過ごし方が違う。
 
ただその分、可能性もある。伝統にしばられず新しいことができる環境はどこよりも整っているはずだ。ハイブリッドをウリにしているのもそのひとつ。ラグジュアリークラスのハイブリッドカーを色とりどり揃えているのは、ここならではである。
 
といったことを踏まえ、このブランドにエールを送りたい。他ブランドのお尻を追いかけるのではなく、是非独自の路線を歩んでもらいたい、と。日本初のラグジュアリーカーブランドに期待する人は多い。100年後のレクサス。クルマがどんなパワーソースでどこを走っている(飛んでいる?)かわからないが、その技術力の高さとブランドバリューについて、多いに語りたい今日この頃である。

九島辰也

九島 辰也 (くしまたつや)

モータージャーナリスト兼コラムニスト/ 日本カーオブザイヤー選考委員。「Car EX(世界文化社)」「アメリカンSUV/ヨーロピアンSUV&WAGON(エイ出版社)」編集長「LEON(主婦と生活社)」副編集長を経て、現在はモータージャーナリスト活動を中心に様々なジャンルで活躍。2015年からアリタリア航空機内誌日本語版編集長、2016年から「MADURO(RR)」総編集長もつとめる。

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九島辰也

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