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VOLVO/ボルボ

第一の理由は、単なるモデルチェンジではないこと。というのも、ボルボはこのタイミングでいろいろなことが変わっている。たとえばハードウェア。

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ボルボはこのクルマからSPA(Scalable Product Architecture)と呼ばれるモジュラー式シャシーフレームを採用する。これは次世代を睨んだまったくあたらしいフレーム構造で、ガソリンやディーゼルエンジンはもちろん、ハイブリッドやEVにも対応する。つまり、モーターやバッテリーを設置したり、逆にエンジンを積まなかったりしても成立させることができる。

また、ベースとなる構造をもとに、ホイールベースや前後のオーバーハング、車高を変えて設計することを容易にするらしい。となると、SUVだけでなく、セダンやクーペなどいろいろなバリエーションがつくれそうだ。まさに新世代フレーム構造である。

次にデザイン。

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ボルボは直近3つのモーターショーで次々新しいデザインコンセプトを打ち出した。昨年9月のフランクフルトショーでの「コンセプトクーペ」、今年1月のデトロイトショーでの「コンセプトXCクーペ」、今春のジュネーブショーでの「コンセプトエステート」がそれにあたる。ここでは詳細を省くが、どれもが“カー・オブ・ザ・ショー”を受賞したことからも秀逸であることがわかる。そして今回のXC90には、そのデザインキューが見事に散りばめられていた。

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エンジンも変わった。

じつは彼らは数年前に自社エンジンの開発に着手し、それを現実のものとした。それまでフォードグループの名残から4気筒エンジンの供給を受けていたが、それを中止し自社開発の道をたどった。そこで生まれた発想がおもしろい。今後ボルボは2リッター直4エンジンのみですべてのラインナップを構成させるという。通常ひとつの4気筒エンジンをベースに1.6リッターだったり、2.2リッターだったりをつくるのだがそれをしない。2リッター1本なのだ。

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もちろん、クルマのサイズや性格に合わせ、パワーは何段階もつくる。イマドキはエンジン出力のマッピングを変えればどうにでもなる。そしてさらにハイブリッドもそれをベースにする。つまり、2リッター直4+モーターという組み合わせだ。なかなか大胆な構想だが、効率の面では多いに成果がありそうだ。

ここで確認しておかなければいけないのは、ボルボはスモールカンパニーであるということ。大手カーメーカーがあらゆるジャンルで競い合っている時代、ボルボのような規模では“効率”が生命線となる。といった新世代の香りをプンプンさせるプレゼンテーションであった。だが、ボルボを語るのにはそれだけでは足りない。そこには彼の国ならではの個性的な考えがベースにある。

九島辰也

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