ベントレーに乗り込んで彼女をピックアップ
「おっと、次を急ごう。レディを待たせちゃ失礼」。
愛車の『ベントレーコンチネンタルGT スピード』に乗り込んだら、しばらく行った先で彼女をピックアップ。よほど楽しみにしてくれていたのか、助手席に座りこちらを伺う笑顔が今日の太陽以上にまぶしい。「楽しみにしてくれてたみたい。これは、気合も入るってもの!」と、ハンドルを握る腕にも力がこもる。
そして、いよいよドライブがスタート。向かうのは、高尾山の麓に佇む炭火焼料理店。都内からだと高速を使って1時間ほど。ディナー前に二人の距離を縮めるのに、ちょうどいい時間になりそう。
一回り近く年下の彼女にとって、英国のラグジュアリースポーツは、初めての体験。「迫力ありますね~」なんておどけている。
確かにこの車、洗練されたエクステリアと、6.0リッターW12ツインターボチャージドエンジンから生み出される、圧倒的なパワーのバランスが特長。街中はいうまでもなく、ハイウェイに乗った時もスムーズに加速するのでストレスなく流れに乗ることができる。スポーツカーが持つスタイリッシュさと、ベントレーが醸し出す気品と技術がスペックや走りに凝縮された一台だ。
キャビンも洗練された仕上がりで、まるで、移動するバーにいるかのような雰囲気。さらに、ラグジュアリースポーツならではの適度なシート配置も悪くない。静粛性は抜群でワイルドだが品の良いエンジン音はコクピットにBGMのように響き、むしろ密室感を演出する。そんな二人きりの空間だからこそ、今までは口に出したことにないトピックがたくさん。スピードが上がるのに呼応するかのように、会話も弾んでいく。
時折求められる仕事に関してのアドバイス。「それってさ…」と、説教臭くなるのは今日はヤボ。つい、押し黙る姿を見て、「仕事の時と、まったく違うんですね」と、ひと言。「気に入ってくれた?」だなんて返しができるのは、力強い走りが気持ちを後押ししてくれているのかもしれない。
会話と運転を楽しみつつ、最寄りのインターチェンジを降り、山沿いの道をほどなく進むと、到着したのは『うかい烏山』。
奥高尾にある隠れ座敷といった佇まいのいろり炭火焼料理店で、門をくぐると日本庭園が広がり、合掌造りをはじめとする、日本建築の美しい建物が点在している。