ホタル観賞を楽しむ
締めくくりは、期間限定のこちらの名物、敷地内にある山野草園でのホタル鑑賞だ。
食事も終わり、すっかりくつろいでいる彼女を誘い出す。
「どうしました?」
「いいから、いいから」
庭園の奥の小道をずっと進むと、二人を照らすのは灯篭の薄明かりだけ。先が見えない不安もあって、彼女の手をしっかりと握った。
夜の庭内に浮かび上がるホタルの群れはあまりにも美しい。あまりにも幽玄な空間で、高尾山から吹き降ろすそよ風も心地良い。ほたるが闇夜に舞う姿は、まるで残暑の花火のよう。
こんな時に言葉は必要なく、二人も御多分に漏れず、ただただ、ロマンティックな夕べに心を奪われるだけ。帰り際には、ホタルが光りながら彼女の手元に。まるで線香花火のようで、幻想的な出来事。ドライブデートの締めくくりに、幸福を運んできてくれたかのようだ。
「また、一緒にお出かけしたですね…」
そうつぶやいた彼女のひと言が、すべてを物語っている。どうやら、悪くない休日をプレゼントできたようだ。
撮影協力:ベントレーモーターズジャパン/ダンヒル銀座本店/うかい鳥山
衣装協力(女性):DoCLASSE
モデル:KEN