ハワイで食べたいものといえば、ロコモコやパンケーキなどいわゆる「ガッツリ系」のものが代表的。観光客に限らずハワイローカルもこれらのガッツリ系食事が大好きだ。しかし、高脂肪高糖質の食事を続けることで糖尿病をはじめとする成人病リスクが高まり、昨今は州をあげて食事に対する意識をあげることに取り組んでいる。
一方、アメリカ本土の食トレンドもどんどんハワイに入ってきており、質の高いローフードやベジタリアン、コールドプレスジュースなど、ヘルスコンシャスなハワイローカルを満足させてくれるレストランやカフェが増えてきている。
ハワイならではのガッツリ系グルメも楽しみながらも、こんな店をいくつか知っておけば旅行から帰ったら体重がプラスXXキロ!と、いらないお土産を増やすこともないかもしれない。旅先でのウェイトコントロールのためにも、ぜひうまく使っていただきたい。
日本では見かけない野菜、ケールを食べてみよう
みなさんはケールという葉野菜をご存じだろうか。日本では青汁の原料として使われることが多い健康野菜である。しかしながら、青汁のあの強烈に苦い味のイメージが重なってケール=栄養価は高いが不味いと思われがちだし、私自身もそう思っていた。
しかし、ハワイには(アメリカ本土もそうらしいが)スーパーでケールがホウレンソウのように普通に売られており、それを買い求めるローカルもたくさんいる。そこで、「いったいどんな味なんだろう」とおそるおそる買ってみたら、まったく苦くなかったのである。
ホウレンソウよりも葉がかためであるが、同じように調理できる。私は胡麻和えにすることが多いが、大変美味である。また、グリーンスムージーの材料にしても苦さは感じないので、私を含めスムージーの材料としてケールを使う人は多い。
今回のテーマであるヘルスコンシャスな店でもケールが積極的に使われている。日本ではなかなかお目にかかれないケール、お店で味わうもよし、スーパーで買い求めて調理するのもよし、旅先での健康管理にぜひ積極的に採り入れていただきたい食材である。
ローフードの概念を変えてくれるレストラン
ローフードと聞いて何をイメージするだろうか。ローフードを調べると「加工されていない生の食材を用いた食品、あるいは食材を極力生で摂取する食生活(ローフーディズム)のことである。食物が持つ、加熱によって失われがちな酵素やビタミン、ミネラルなどを効率よく摂取することを目的とする。(ウィキペディアより抜粋)」とあるが、そのコンセプトに沿った食事を出してくれて、しかも美味しいのが「Greens & Vines」である。
ローフードというと「健康的かもしれないけど味的にはちょっと」というイメージが私にはあった。しかしこのレストランでタイ料理のパッタイをアレンジした一皿を食べたときにそのイメージが完全に払しょくされた。味付けがしっかりしていて美味しい。本来のパッタイには米麺が使われているのだが、ここではケルプ(海藻)ヌードルが使われている。適度に歯ごたえがあって個人的には普通のパッタイよりも美味しく感じるくらいだ。もうひとつ、絶対にオススメなのがNot Tuna on Onion Breadという前菜である。玉ねぎのみでつくられた甘みのある台にツナマヨのような味のスプレッドがトッピングされている。「ホンモノのマグロみたい!」と思える一皿である。
このレストランのもうひとつの特徴がローフードレストランでありながら、店名の通り、ワインに力を入れている点だ。ディナータイムはワインとのペアリングによるコースもあり、今までのローフードに対する概念をいい意味で打ち破ってくれる。
Greens & Vines
住所:909 Kapiolani Blvd. Unit B, Honolulu, HI 96814
電話:(808) 536-9680
※ワイキキから車で約15分。ワードエリアからであれば徒歩でもアクセスできます。
※ピークタイムは満席のことも多いので、できれば予約をおすすめします。
話題のジュースクレンズプログラムも提供しているカフェ
アメリカ本土でトレンドとなっているコールドプレスジュースやスムージー、それらを組み合わせたジュースクレンズプログラムが最近東京でも話題になっているが、それをオアフ島で楽しむことができるのが「Blue Tree Café」である。もともとハワイではジャンバジュースをはじめとするスムージー店が定着していたが、それをもっとヘルスコンシャスに提供してくれるカフェである。個人的にはここの各種グリーンスムージーの大ファン。お腹にしっかりたまるので軽い食事の代わりにもなる。
また、この店が提供しているジュースクレンズプログラムがオアフ島ローカルに大人気だ。1日もしくは複数日、ジュースだけで過ごして胃腸を安め、ジュースの栄養成分を利用して身体の中からデトックス(毒素排出)するというものである。
ワイキキからちょっと離れた場所にあるが、「ちょっと野菜が足りないな」と思ったときに寄ってみていただきたい。ハワイを含めアメリカでは現在、豆乳よりもアーモンドミルクが着目されているので、アーモンドミルクでつくったラテなども試すことができる。
Blue Tree Café
住所:1009 Kapiolani Blvd., Honolulu, HI 96814
電話:(808) 591 2033
※ワイキキから車で約15分。ワードエリアからであれば徒歩でもアクセスできます。
※車で来訪の場合は店が入っているコンドミニアム内のパーキングに駐車できます。
手軽に健康的なものを食べたかったら知っておきたい店
ワイキキ内にもハワイの食材を使った地産地消を意識したレストランがあるので最後に紹介しておきたい。それがヒルトンハワイアンビレッジ傍にある「Goofy Café & Dine」である。実はこの店は日本のゼットンが経営しているレストランなのだが、だからこそ一品一品のクオリティが高く、何を食べてもハズレがないのが嬉しい。特に本テーマに沿ったところでは「ケールのナムル」がおすすめだ。またグリーンベジジュースという名のグリーンスムージーも、ハチミツが入っていたりチアシードが入っていたりと手が込んでいる。
それ以外のメニューも出来るだけ出自がはっきりしているハワイのファームからの食材にこだわっていて、安心して食べることができるのがいい。ロコモコやエッグベネディクト、パンケーキなどのガッツリ系もあるが、日本人の口に合う味付けになっている点もおすすめだ。店内も西海岸のサーフカルチャーを意識した気持のいい店内となっており、日本経営でありながら、アメリカ人観光客にも大人気の店である。
Goofy Café & Dine
住所:1831 Ala Moana Blvd., Suite 201 Honolulu, Hawaii 96815
電話:(808) 943-0077
※1FにABC Storeが入っている小さな建物の2Fにあります。
田島弓子(たじまゆみこ)
2007年にマイクロソフト株式会社を退職しキャリアアドバイザーとして独立後、東京とハワイのデュアルライフを始める。東京滞在中はブラマンテ株式会社 代表取締役 田島弓子としてキャリアや社員育成に関する講演や研修、ビジネス書や専門誌等への執筆など仕事中心の生活を送り、ハワイ滞在中は趣味のトライアスロンのトレーニングを中心とした生活を送ること現在7年目。世界各国で行われるトライアスロンのレース遠征を兼ねた旅行先での世界遺産巡りとグルメが目下最大の楽しみ。