ブラック・プレミアムクラスを中心に、ポイ探の菊地崇仁氏が、クレジットカードの隠された使い方や機能を探っていく本企画。プライベートやビジネスに何かと身近な存在だからこそ、本当の価値を知り、使いこなしていただきたいというのが目的だ。
4月のテーマは、JALプラチナカードだが、最後となる今回は、ステイタスメンバーの仕組みについて触れ、締めくくりとしよう。
獲得ポイントや搭乗回数に応じてサービスステイタスを用意
ANAでは、年間(毎年1月~12月)の搭乗実績に応じて、各顧客の「プレミアムポイント」を付与。獲得ポイントの数により「ブロンズサービス」「プラチナサービス」「ダイヤモンドサービス」という、3つのステイタスメンバーを提供していると、3月の記事でお話ししました。各ステイタスでは、フライトボーナスマイルのアップ、優先予約、座席のアップグレードといった特典が得られます。
さらに、「ダイヤモンドサービス」「プラチナサービス」を受けているときに申し込める「ANAスーパーフライヤーズカード」もあり、このカードを持てばホルダー期間中はプラチナサービスに近いサービスを継続して受けられるとも。とても魅力のあるサービスですが、同じような特典をJALでもJMB会員とJALカード会員向けに提供しています。それが、「JMB FLY ONプログラム」です。
基本的な仕組みですが、JALでは毎年1月~12月(暦年)の搭乗実績から、フライトマイルとは別に「FLY ONポイント」として自動的に積算。暦年のFLY ONポイントに応じて翌年にサービスステイタスを提供しています。なお、FLY ONポイントは「フライトマイル×FLY ONポイント換算率+ボーナスポイント」で算出されますが、FLY ONポイント換算率は日本国内線2倍、JAL便の日本発着 中国・香港・アジア・オセアニア線1.5倍、上記以外の国際線は1倍、ボーナスポイントは券種により0~400ポイント付与されます。
次に、JMB FLY ONプログラムの各ステイタスにおける、獲得条件と主な優待内容を見ていきましょう。
JMBクリスタル
3万FLY ONポイント(うちJALグループ便1万5千FLY ONポイント)以上
または30回(うちJALグループ便15回)以上
かつ1万FLY ONポイント以上
主な特典内容
●ワンワールドのルビーサービスの利用
●専用のクリスタル予約デスク
●予約時の優先キャンセル待ち
●マイルアップボーナス(25%~55%)
●国際線・国内線での専用カウンターチェックイン
●国内線「クラスJ」利用時、到着空港にて手荷物優先手渡し
●受託手荷物無料許容量の優待
●国際線・国内線空港での優先空席待ち
●国際線空港での優先搭乗
●国内線ラウンジクーポンでの空港ラウンジの利用
JMBサファイア
5万FLY ONポイント(うちJALグループ便2万5千FLY ONポイント)以上
または50回(うちJALグループ便25回)以上
かつ1万5千FLY ONポイント以上
主な特典内容
●ワンワールドのサファイアサービスの利用
●専用のサファイア予約デスク
●予約時の優先キャンセル待ち
●マイルアップボーナス(100%~105%)
●国際線・国内線での専用カウンターチェックイン
●手荷物優先手渡し
●受託手荷物無料許容量の優待
●国際線・国内線空港での優先空席待ち
●国内線利用時に特別エントランスの利用
●ファストセキュリティレーンの利用(成田国際空港第2ターミナル発JAL国際線)
●国際線空港での優先搭乗
●空港ラウンジの利用
JMBダイヤモンド
10万FLY ONポイント(うちJALグループ便5万FLY ONポイント)以上
または120回(うちJALグループ便60回)以上
かつ3万5千FLY ONポイント以上
主な特典内容
●ワンワールドのエメラルドサービスの利用
●専用のダイヤモンド・プレミア予約デスク
●予約時の優先キャンセル待ち
●ダイヤモンド特典航空券(特典席に空席がなくても一般席に空席があれば、必要な基本マイルの2倍を引き落とすことで利用できる)
●国内線前方座席指定サービス
●国内線優先予約サービス
●国際線機内販売事前予約
●マイルアップボーナス(100%~130%)
●マイル有効期限の廃止
●国際線・国内線での専用カウンターチェックイン
●手荷物優先手渡し
●受託手荷物無料許容量の優待
●国際線・国内線空港での優先空席待ち
●ダイヤモンド・JGCプレミア専用保安検査倍の利用
●ファストセキュリティレーンの利用(成田国際空港第2ターミナル発JAL国際線)
●優先搭乗
●空港ラウンジの利用
JMBクリスタルからJMBダイヤモンドまで、驚くべき特典内容。JAL便の利用が多いのでしたら、必ずステイタスを得ておきたいところです。
ワンランク上の「JAL グローバルクラブ」とは?
JALのサービスステイタスは、これで終わりではありません。なんと、JMBダイヤモンド、JMBサファイアのサービスステイタスを獲得すると、さらに上質なサービスが享受できる会員組織「JALグローバルクラブ(JGC)」入会することができるのです。なお、入会に当たっては、JALグローバルクラブ JALカードのCLUB-Aカード、CLUB-Aゴールドカード、JALダイナースカード、プラチナのいずれかを持つことも条件ですが、年会費は通常のカードと変わりません。これが、JALグローバルクラブの年会費に相当するというわけです。また、カードを持っている限り会員資格は自動更新されます。
なお、JGC会員になっても、暦年の搭乗実績に応じてサービスステイタスが付与されるのですが、名称は「JGCクリスタル」「JGCサファイア」「JGCダイヤモンド」に変更。ただし、獲得条件と主な特典内容に変わりはありません(クリスタルに関してはJMBはワンワールドのエリートステイタスはルビーですが、JGCになるとサファイアにランクアップなど、一部変更はあります)。
ところがJGC会員に対しては、サファイアとダイヤモンドの間に、「JGCプレミア」というサービスステイタスが、新たに付与されるという仕組み。獲得条件と主な特典は以下のようになります。
JGC プレミア
8万FLY ONポイント(うちJALグループ便4万FLY ONポイント)以上、
または80回(うちJALグループ便40回)以上
かつ2万5千FLY ONポイント以上
●ワンワールドのエメラルドサービスの利用
●専用のダイヤモンド・プレミア予約デスク
●予約時の優先キャンセル待ち
●国内線前方座席指定サービス
●国内線優先予約サービス
●国際線機内販売事前予約
●マイルアップボーナス(100%~105%)
●マイル有効期限の廃止
●国際線・国内線での専用カウンターチェックイン
●手荷物優先手渡し
●受託手荷物無料許容量の優待
●国際線・国内線空港での優先空席待ち
●ダイヤモンド・JGCプレミア専用保安検査倍の利用
●ファストセキュリティレーンの利用(成田国際空港第2ターミナル発JAL国際線)
●優先搭乗
●空港ラウンジの利用
サファイアとダイヤモンドの中間に位置するだけあって、特典内容も両者の間を取った感じ。JMB/JALカード会員の場合、サファイアとダイヤモンドには大きな獲得条件などに大きな開きがあるのですが、JGCではプレミアクラスを用意することで、中間の搭乗実績のある顧客をフォローできるということです。
なお、JGCに入会するには、専用のJALグローバルクラブ JALカードを持たないといけないとは先ほど申し上げました。これによる最大のメリットは、家族カードを作ることで、ご家族にもJGCの特典が適用されることです。JMBのサービスステイタスは本人のみが対象ですが、JGCだと配偶者やお子さんもワンランク上のサービスが受けられるようになります。カードを持つ限り会員資格が更新されるのもメリットです。
以上のように、JALでも優良顧客には手厚いサービスを提供しています。JALの登場が多い、JALカードを持つのなら、JGC会員を目指してみてはいかがでしょうか。
JAL最高峰の顧客サービスである、JMBとJGCのサービスステイタス。獲得条件を満たすなら、ぜひ持っておきたい。あるいは、上質なサービスを求めるなら年間の登場を集中させてみればいい。
さて、これまで2カ月にわたりANA/JALカード及びプレミアムサービスの実態に迫ってきたが、いかがだろうか。とはいえ、クレジットカードを通じて得られるエアラインのプレミアムサービスは、これだけではない。5月以降は外資系も含め、さらに付加価値を実感できるカードを紹介していこう。
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