資産デザイン研究所代表の内藤忍氏が、各界のプロフェッショナルをお招きして、資産運用にまつわる旬のトピックを取り上げる、本連載。8月は、カンボジアの首都プノンペンでコンドミニアムを販売・管理する、アナキャムパートナーズ株式会社の竹口淳社長をゲストにお迎えした。
日本から直行便就航
ますます結びつきが盛んに
内藤 アナキャムパートナーズでは、6月に竹口さんが社長に就任し、新たな展開が始まったと聞いています。本日はよろしくお願いします。
竹口 こちらこそ。当社は2013年に設立。カンボジアにオフィスを構え、首都プノンペンの物件を中心に販売からテナント付け、管理を行うほか、不動産コンサルティングなども手がけています。内藤さんがおっしゃる通り、6月からは私が社長になり、心機一転といったところです。
内藤 カンボジアといえば、9月1日から成田-プノンペン便が新規就航するそうですね。ANAが1日1便飛ばすとか。以前に比べると円高になりましたし、日本人が不動産投資を行う環境としては、追い風が吹いています。
竹口 これまでは直行便がなく、日本との結びつきはあまりないと見られていましたが、これを機にODAの予算がさらについたり、日系企業の進出も増える見通しです。トヨタ車の正規販売代理店のトヨタ・カンボジアは、プノンペン郊外の経済特区に自動車用のストックヤードや部品倉庫、研修センターを建設すると、昨年に発表しました。今後も同じような動きがあると予想され、少なくともビジネスで現地に常駐する日本人は増えるでしょうし、旅行客も然りです。
内藤 国自体の成長率は依然高く、GDP成長率は7%台。1人当たりのGDPもようやく1000ドルを超えました。とはいえ、マレーシアの10分の1、タイの5分の1、フィリピンの半分といった水準です。東南アジアで最貧国のひとつですが、その分、成長の余地があります。一方で、政治面では混迷もあるようですね。