ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントの付加価値などを見出す本連載。前回は今夏にサービス開始予定のインヴァストカードについて触れたが、引き続き、同様のサービスを追っていこう。(1/3回から読む)ーーー
ポイント投資は資産形成の
新たなジャンルになる?
カード決済で手に入れたポイントで投資できるのは、インヴァストカードだけではありません。同様のサービスは、セゾンカードの永久不滅ポイントを使った「ポイント運用サービス」でも始めることができます。
これはその名の通り、セゾンカードの利用で貯まる永久不滅ポイントを運用できるサービスのこと。マネックス・セゾン・バンガード投資顧問が運用する投資信託の価格に合わせてポイントが増減する仕組みで、正確には“投資を疑似体験”することになります。
サービスは、外国株式・外国債券を中心に積極的にプラスを狙う「アクティブコース」と、国内債券を中心に安定運用を目指す「バランスコース」から選び、運用は100ポイント単位、取り出しは1ポイント単位で利用できます。前者は年間15%、後者は同3%程度変動する可能性があるとしていて、運用実績は2016年6月を起点として、2017年3月の時点でアクティブコースはプラス10%、バランスコースはマイナス4%というパフォーマンスです。
インヴァストカードはポイントをキャッシュバックして投信運用を行いますが、こちらはあくまでポイントであり、毎月積み立てをするのでもなく、スポット購入が対象。とはいえ、ポイントを貯めたままではもったいないですし、運用を通じて増えたら、お得感も味わえます。セゾンユーザーで、ポイントの使い道に思案しているなら、トライしてみてはいかがでしょうか。
一方、今夏をめどに、楽天グループ各サービス・楽天カードなどの利用で貯まる、楽天スーパーポイントで投資信託の購入が可能になると発表したのは、楽天証券です。これにより、投資信託の買い付けもしくは購入代金の一部に充てられるようになる見通しです。同社では5月27日から、取り扱うほぼすべての投資信託の最低購入単位を従来の1万円、積立時1000円から、一律で100円に引き下げることも発表していて、これはポイントを使い小口購入することも意識しての施策だと思われます。
このように、クレジットカードの決済などで得られるポイントを使い、金融商品に投資(議事を含む)できるサービスはいくつかあり、今後も新たに登場する可能性はゼロでないでしょう。それこそ、国内におけるダイナースクラブカードの発行元は、三井住友信託銀行グループの三井トラストクラブであり、金融商品との親和性は低くありません。投資を身近にするという点においても国の思惑ともかみ合います。カードホルダーにとってもポイントの使い道が広がりますから、今後は、ひとつのトレンドになっていくかもしれません。