ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントの付加価値を見出す本連載。今回のテーマは「モバイル決済」(1/3から読む)。幅広いサービスの提供が始まっている。ーーー
増えるQRコード決済
導入のしやすさが決め手か?
前回は、楽天の携帯電話事業参入の狙いについて、お話ししました。キャリアになれば現在のMVNOとは異なり、より深くモバイルビジネスに関わることができ、そこに商機を見出したいところだと思います。
一方で楽天は「決済手段」にも注力してきた企業です。2005年7月から楽天カード事業に着手し、貯まったポイントを楽天グループの各種サービスと交換できるというメリットが支持され、発行枚数は右肩上がり。2017年通期のカード度ショッピング取扱高は6兆円を達成、カード会員数は1500万人を突破しました。もはやカード会社としては大手で、「ネットショッピングでカード決済」という行動を根付かせた功績すら感じます。
一方で、楽天はスマホにダウンロードしたアプリを経由して街中やネットで決済できる「楽天ペイ」の提供も始めています。これは、楽天会員情報に登録したクレジットカードで買い物ができ、ポイントも貯まるというサービスのこと。ユーザーは「コード表示」「QR読み取り」「セルフ」のいずれかを選択して決済を行います。加盟店はローソンをはじめ、全国の飲食店やヘアサロン、量販店などに広がっているようです。
こういった、モバイル+QRコードの決済をはじめるケースは近年増え続けています。モバイル決済とえば、Suicaやnanacoといったプリペイド型、QUICKPayやiDのポストペイ型の電子マネーが主流ですが、加盟店がこれらサービスを導入するにはリーダーの設置など費用がかさみます。対してQRコードであればスマホの画面に表示するので端末自体にフェリカやNFCといった非接触ICチップは不要で、加盟店もレジにバーコードの読み込み機能が搭載していれば簡単なシステム改修、あるいはiPadといったタブレットを導入すればすぐに対応できます。利便性が歓迎されているのでしょう。