ANAホールディングス株式会社(以下ANAHD)と、株式会社エアロネクスト(以下エアロネクスト)は、ANAHDのエアラインならびにドローンオペレーターとしての機体運航に関する知見と、エアロネクストの産業用ドローンの基本性能を向上させる機体構造設計技術を融合し、「空の産業革命 レベル4(有人地帯での補助者なし目視外飛行)」に対応する物流ドローンの共同開発に向けた業務提携をスタートする。
ANAHDは航空機の安全運航に関する知見を活かし、ドローンオペレーターとして、福岡市や五島市にて無人地帯での補助者なし目視外飛行(レベル3)による実証実験を行うなど、ドローン物流サービスの事業化に向けた検証を継続して実施。主要な用途や基本的な機体性能、機体整備や運航管理に必要な機能などについて、オペレーターとしての視点から知見を提供する。
エアロネクストは「ドローン前提社会の実現」と「新しい空域の経済化」を目指し、物流用途のドローンの開発を進めてきた。従来の物流ドローンの機体構造は、空撮用途から発展を遂げてきた機体構造を踏襲し、機体の飛行部と搭載部が一体となっている事で、飛行姿勢に伴い荷物も傾く課題があったが、エアロネクストは機体の飛行部と荷物搭載部分を分離した機体構造にする事で、荷物を常に水平に保つことを可能にした。同社は技術提供を行う。
両社は、2020年度内に共同開発した物流ドローンによる実証実験を開始し、2022年度の「空の産業革命 レベル4」解禁に向けて量産化し、ドローン物流サービスが、さまざまな地域課題を解決する新たなインフラとして、社会実装することを目指すとしている。