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ポイント・キャッスレス関連の最新動向 2/3

ポイ探の菊地崇仁氏が、エンリッチ読者のライフスタイルにマッチするクレジットカード、あるいはポイントの付加価値を見出す本連載。今月はポイント・キャッスレス業界の新たな動向を解説している。(1/3から読む)ーーー

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ドコモとリクルートが業務提携契約
共通ポイントの再編はさらに加速する?

今年1月には、メルカリ傘下でスマホ決済サービスを展開するメルペイが、同業ベンチャーのOrigami(オリガミ)を買収するというニュースもありました。Origamiといえば、独自のポイントプログラムはなかったものの、コンビニなど加盟店での割引を多く展開し、幅広い世代から支持を得ていました。とはいえ、それこそPayPayやLINE Pay、メルペイ、d払いなど大手は大規模な還元セールを実施するなど、資金力を武器に市場を取りに行くことに。Origamiは太刀打ちできず、このような結果になり、4月28日に主要機能が停止し、6月末には全サービスが終了する予定です。

PayPay=ソフトバンク系列のサービスですが、他のケータイキャリアも業務提携の動きが加速しています。そのひとつが、auを展開するKDDIと共通ポイントのPontaを運営するロイヤリティマーケティングの協業です。これまで実施していた独自ポイントプログラムのau WALLETポイントをPontaポイントに統一し、auとローソンIDの連携を推進すると、昨年12月に発表しました。これにより、au PAYではPontaがたまるようになり、Pontaアプリにau PAYが実装、au WALLETアプリにはデジタルPontaカードが実装されます。au PAYユーザーからすると、加盟店の多いPontaポイントが使えるという点で、メリットがあると思います。

NTTドコモも、積極的に動いています。まず、1月30日に発表したのが、リクルートとの業務提携契約の締結です。これにより、リクルートIDとdアカウントが連携し、「じゃらん」や「ホットペッパー」などリクルート12のウェブサービスを通じて予約した、約20万店舗でのサービス利用でdポイントがたまるように。今年度第3四半期の実施を予定しています。また、リクルートライフスタイルによる決済サービス「Airペイ」でもdポイントをためたり、使用することができるようなるようです。

ただし、少し気になるのは、すでにリクルートはPontaと提携している点。おそらくリクルートのユーザーはサービス利用時にためるポイントを選ぶのでしょうが、実際はどうなるのか。また、dポイントとPontaポイントはすでに相互交換できますが、auがPontaを導入することによる影響はあるのか。とはいえ、消費者からするとポイントの使い道が広がるのは、歓迎すべきことです。

こうしたことからわかるのは、コード決済やポイントのメインプレイヤーは、いつの間にかケータイキャリアになったこと。決済に使う通信網やデバイスを扱うだけに、有利にビジネスを展開しやすいようです。今後は、「ドコモ=d払い=dポイント」「au=au PAY=Pontaポイント」「ソフトバンク=PayPay=PayPayボーナス」という3強を中心に、再編は進んでいくかもしれません。他方、第4のキャリアとなった楽天モバイルは、どのように立ち回るのか。すでに楽天ペイ、楽天ポイントという決済インフラと共有ポイントを自社で持っていて、楽天ポイントは自社系のサービスでもためたり使えたり、ANAマイルにも移行できます。利便性の高さは折り紙付きなので、あとはどれだけ楽天モバイルのユーザーを獲得できるか。それにより、3強が4強になると思います。

ーーー今後、コード決済と共通ポイントをけん引するのは、ケータイキャリア。新たな提携や統合が出てくるかもしれない。そして次回は、キャッシュレスの最新トピックを紹介しよう。

菊地宗仁_300

菊地 崇仁 (きくち たかひと)

株式会社ポイ探 代表取締役。大学卒業後、日本電信電話株式会社(現NTT東日本)入社。システム開発に携わる。2002年の同社を退社後、友人と共に起業。ポイント交換案内サービス・ポイ探の開発に携わり、2011年代表取締役に就任。現在All About、カカクコム、ECZine、日経トレンディネットへ記事を提供する他、テレビ・雑誌でも活躍中。著書に「新かんたんポイント&カード生活 (自由国民社)」、「できるAmazonスタート→活用 完全ガイド(インプレス)」他。

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